研究課題/領域番号 |
06301080
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
永井 規男 関西大学, 工学部, 教授 (00067604)
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研究分担者 |
山野 善郎 九州大学, 工学部, 助教授 (10212292)
沢登 宜久 近畿大学, 工学部, 教授 (00088585)
谷 直樹 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (40159025)
上野 勝久 文化庁, 文化財保護課, 技師 (20176613)
高橋 恒夫 東北工業大学, 工学部, 助教授 (30085443)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | 中世 / 建築工匠 / 人名 / 伝記 / 全国 / 地域 / 番匠 / 葺工 / 鍛冶 / 壁工 / 府県別 / 年次順 |
研究概要 |
二年間にわたる既刊行物からの中世建築工匠史料の採録人名件数は、既収のものを含めて概数で10、620件に達した。地域別では東北630、関東1370、中部2240、近畿3190、中国1330、四国740、九州1120とである。一府県平均246件で、近畿・中国・中部は平均を越え、他はこれよりすくない。中央に近い方が多いのは順当な結果かと考えられる。しかし、まだ刊行物等に収録されない未発見の史料が多いらしいことも改めて浮き彫りにされた。たとえば九州では全体の68パーセントを宮崎と鹿児島で占めるという非常に偏った数値になっている。これは収集をするのに依拠した県史、市町村史などが、中世の主たる建築工匠史料源である棟札を採録するかしないかの差に起因するものと考えられた。すなわちまだ眠っている工匠史料も多いことが予測される訳で、今後も相当数の史料が新出するとしなければならない。 しかしともかく、当初の予定である中世建築工匠史料は、現在知りうる範囲の過半は全国規模で収集できたと考えている。今後、この成果は中世の建築工匠の個人および家族史(作家研究)、行動様式(技師・意匠の伝播)、活動範囲(地域性)などを研究する上で役立つであろう。この収集研究でも中世の画期を明らかにする必要があたが、収集史料の中において「時の大工」と「番匠衆」の用語に着目して、その地域における建築工匠上の中世の終末の時期を想定できるめどがついたのも成果のひとつである。史料収集は本質的に終わりのない作業であるが、この研究によつて収集方式に一定の形を与えることができ、今後の作業、研究を進めるための基礎は確立することができたと考える。
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