研究課題/領域番号 |
06302058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
リム ボン 立命館大学, 産業社会部, 助教授 (10202409)
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研究分担者 |
安藤 元夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90140326)
三村 浩史 京都大学, 工学部, 教授 (50025912)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1996年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1994年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | マイノリティ / エスニック / 住環境整備事業 / コリアタウン / 住宅政策 / まりづくり / まちづくり / 在日韓国・朝鮮人 / 社会資本 / 耕地整理 / 不良住宅地区 / スクォッター / NGO / 住環境整備 |
研究概要 |
本研究は、外国人集住地区における住環境整備上の課題を明らかにするため、70年近い定住の実績を持つ在日韓国・朝鮮人の居住する地区を主な事例とした。研究を開始するにあたって、次の三つの課題に着目した。第一に、住環境の面で著しく質の低い状況にある外国人集住スクォッター(不法占拠地区)に対する行政上の対応がどうであったのかということ。第二に、実際の事業を考慮に入れる場合に外国人集住地区一般の課題がどうなるのかということ。そして第三に、地域アイデンティティの表現を考慮に入れながら行う住環境整備が外国人集住地区でどのように発現するのかということ、の三つの課題である。 第一部では、スクォッター地区の課題について考察した。工業化という一般的な社会現象を背景とするスクォッター地区は、同様の外部不経済でありながら、公害のように法的措置によって一律に対処されず、個々の行政判断に委ねられてきた。その結果、現場の担当行政職員とコミュニティの関係が決定的に重要になり、できるところだけやるという、非合理的な状況が生み出されていた。第二部では、実際に事業が行われつつある集住地区において、住環境整備上の課題を探った。ここでは、持家率において外国人の方が日本人よりも高いことがわかった。従って、こうした地区における住環境整備を考えるとき、地域生活空間の向上に一定の寄与をしている外国人、と見る方が有意である。「外国人は社会的弱者」という考え方がマクロなレベルで正しいとしても、集住地区の生活空間というミクロなレベルでは必ずしもそうではない。このレベルにおいては、「外国人は生活空間の維持の担い手」と言ってよい。第三部では、大阪市における都市基盤整備の過程をレビューし、外国人の集住の現況とあわせて考察した。その結果、もっとも集住の著しい地区として、鶴橋耕地整理組合区域が浮かび上がった。その区域内に位置し、近年、地域アイデンティティの表現活動を行っている商店街について悉皆調査を行ったところ、借家商店を中心とする、若くて新しい商店層から発意がなされていた。流動性の高いコミュニティが、定住地としてのアイデンティティを主張していたわけである。
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