配分額 *注記 |
10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
1996年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1994年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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研究概要 |
本研究においては,まず,狭水域を航行する船舶の船体に作用する流体力を明らかにすることを目的として,船舶が側壁や橋脚の近傍を航行する際に生じる流体力学的な干渉力,ならびに輻輳した海域において2隻の船舶が近接して追い越し運動を行なう場合に,船舶相互間に生じる干渉力の推定を行い,橋脚等による干渉力と比較して,船舶相互間の干渉力が操縦運動へ与える影響の方が大きく,また被追い越し船の方に大きな干渉力が作用することを明らかにした。続いて,2隻の船舶が近接して追い越しを行う場合,およびそれらの状態が橋脚近くで生じる場合について船舶の操縦運動のシミュレーション計算を実施し,船長が同程度の船舶が追い越しを行う場合には,2隻の船舶が安全に航行するために2船間および橋脚との側方距離を少なくとも1船長程度以上とることが必要であることを示した。 次に,港湾内等において船舶が低速で大きな斜航角を伴って運動する場合には,船体に作用する流体力はCross flowに基づく成分が支配的になるため,船舶が真横に運動する場合を対象として船体に作用する流体力の推定法の開発を行った。本計算法によって推定した流体力を実験データと比較した結果,横運動時に船体に作用する流体力を精度良く推定できることを示した。 さらに,推定した流体力のデータを基にして,操船シミュレータにより船舶を運航する操船者側の人間要素を考慮した検討を行い,狭水路を2隻の船舶が近接して航行する場合の操船の限界について調査を行った。また,近接して航行する2隻の船舶の安全航行を目的として,自船の動きが相手船の動きに与える影響を考慮した衝突回避判断システムの開発を行い,シミュレーション計算によりその有効性の確認を行った。
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