研究分担者 |
田村 俊和 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (00087149)
大場 忠道 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (60013588)
小野 有五 北海道大学, 大学院地球環境科学研究科, 教授 (70091890)
小口 高 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80221852)
池田 宏 筑波大学, 地球科学系, 助教授 (20015986)
成瀬 敏郎 兵庫教育大学, 教育学部, 教授 (60033510)
伊勢屋 ふじこ 上武大学, 商学部, 助教授 (00193384)
斎藤 亨治 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60170495)
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研究概要 |
1.中部山岳地域,奥羽山地および日高山脈のいくつかの河川を対象として,扇状地の地形計測的特徴および分布論,現在の河床堆積物と段丘堆積物との比較,河川縦断形の変化および山地斜面〜河谷の変化過程に基づいて河川流量の変化および乾燥化を検討した. 2.東北地方南部の閉塞盆地において,花粉分析,粒度分析に基づいて周辺の斜面での植生変化,地形-プロセスの応答について検討した.また,生物地理学的にみた最終氷期最盛期頃の乾燥化と完新世の湿潤化がとりあげられた.さらに,化石動物群の分析も近畿地方を中心にして進められた. 3.氷河地形に関しては,ヒマラヤ,中国,ボルネオなど東〜東南アジア各地からデータが進められている.また,日本ではとくに日高山脈の氷河地形と堆積物に関する正確な編年学的成果が得られた.日高山脈では,解析図化機により地形図を作成し,氷期の氷河の復元,均衡線高度の算出,降雪量の推定を試みている. 4.周氷河環境については,北海道北部において多数のアイスウェッジカストを観察記載し,その形成条件を検討した.中部日本の高地でも周氷河現象の調査を行い,日本列島の垂直分布帯の再検討を行っている. 5.風成塵(レス)についても,北海道,九州など要所での調査が進められ,フラックスがもとめられている.レスの調査は黄土高原でも開始された. 6.海洋環境については,日本海のコアから詳しいC-14年代が得られるとともに,最終氷期の最寒冷期の堆積物には風成塵が大量に含まれていることが示され,量的な検討が行われた.また,オホーツク海の海氷と北海道の冬季の気温変動の解析もおこなわれた. 7.大気大循環モデル(AGCM)を用いて,東アジアの最終氷期の冬季の気温,降雪量を検討した.
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