研究分担者 |
原田 隆典 宮崎大学, 工学部, 教授 (70136802)
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
佐藤 忠信 神戸大学, 防災研究所, 教授 (59151601)
高田 至郎 神戸大学, 工学部, 教授 (40027280)
大町 達夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (39129557)
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研究概要 |
構造物の地震災害の軽減を図るには,地盤-構造物系という1つの系の中での耐震安全性を考える必要がある。そこで本研究では,弾性設計および終局設計からなる二段階耐震設計の体系を前提として地盤-構造物系における安全性の最適配分を見い出し,それに基づいて構造物の震害を最小限に抑えるための新しい耐震設計法を開発するための基礎的検討をおこなった.本研究は(1)入力地震動の設定と(2)地盤や構造物の非線形特性を考慮した動的相互作用の解析に分けられる.まず信頼性の高い入力地震動を設定するために,震源特性や伝播経路特性およびサイト特性を適切に評価する方法について検討した.確率的な手法を用いて小地震の波形の推定し,これを大地震の震源特性に応じて重ね合わせることによって,入力地震動が適切に設定できることがわかった.また,パワースペクトルから最大地動を推定する手法を用いて,活断層データに基づく最悪地震動の設定を行なう方法を検討した.さらに地盤情報の不確定性を考慮した地盤震動特性評価法の確立のために不規則地層境界で発生する散乱波の影響を解析する手法を開発した.次に非線形動的相互作用を考慮した設計法の確立を行なうために,まず,構造物の根入れ深さが基礎滑動安全率に及ぼす影響について検討した.その結果滑動安全率は地表変位と根入れ深さの比で推定できることがわかった.非線形動的相互作用の解析を行なうために,非線形特性を表すパラメータを同定しなければならないが,このために必要なノイズや異常値に強い同定アルゴリズムの開発を行なった.これらの成果から基礎の限界状態設計の方法についてまとめた.
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