研究分担者 |
渡辺 興亜 文部省, 国立極地研究所, 教授 (60111861)
岡田 東一 大阪大学, 産業科学研究所・教授, 所長 (40028999)
村岡 浩爾 大阪大学, 工学部, 教授 (90029017)
渡辺 信 環境庁, 国立環境研究所, 研究室長 (10132870)
柴田 俊一 近畿大学, 原子力研究所・教授, 所長 (90027392)
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研究概要 |
人類・生物の最も重要で,かつ将来ともその重要性が変化しないような,試料・データと,それを規定する地球環境に関する基本試資料とを関連づけて保存し,10年,100年後の環境問題を分析するための基礎資料として,供するとともに,1000年以上にわたって,未来の人類のために超長期自然凍結保存する。このような構想を基に基礎的研究を行ってきた。下記のような成果が得られた。 1.日本国内における生物・環境試料の保存状況調査を行い,個別の保存試料についてデータベースを作った。 (江藤・柴田俊) 2.保存候補地点の南極ドーム基地では,1995年よりアイスコアのボーリングにより過去を遡る実験が開始された。現在600m(仮年代決定で25,000年前)に達している。38次隊が今年11月に出発するが,生物・環境タイムカプセルのテストスペシメン,テストピース等を託す予定である。これにより現地での暴露試験が可能となる。 (渡辺興) 3.極地での平均気温条件を考え合わせた生物試料の保存実験を行った。(渡辺信・柴田康)例えば水の華を形成する藻類Mycrocystis aeruginosa aeruginosaは,-196℃の液体窒素中では50%以上の生存率で6年間保存できるが,-60℃では最初の6ヶ月間は50%以上の生存率であったが,1年半後では50%程度にやや減少する傾向がみられた。 4.極低温機器の絶縁材や構造材料として,極低温域においても良好な物性を有する樹脂の開発を進めた。(岡田) 5.巨大都市における水循環および水収支の実態をモデル地域について調査し,都市活動が水の環境に及ぼす因子を探ると共に水試料の選定の基準につき検討した。(村岡) 6.分子遺伝子学および生命誌の見地から,超長期にわたって保存すべき生物試料の選定基準を示した。(松原・中村)
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