研究課題/領域番号 |
06303007
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小宮山 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80011188)
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研究分担者 |
中田 礼嘉 (株)大林組, 技術第二部, 研究員
山田 興一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (10260499)
角張 嘉孝 静岡大学, 農学部, 教授 (60126026)
松田 智 静岡大学, 工学部, 助教授 (80165828)
小島 紀徳 成蹊大学, 工学部, 教授 (10150286)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
1995年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1994年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 砂漠緑化 / 砂漠気象シミュレーション / 人工山 / 地球温暖化 / CO_2固定 / 降雨促進 |
研究概要 |
平成6年度には大規模スケールでの降雨量分布を予測するためのシミュレータの開発を行った。本シミュレータを地球レベルのグローバルモデルから与えられる境界条件、初期条件等のもとで利用し、オーストラリアでの地表条件と降雨量の関係についての検討を開始した。 乾燥条件下における、樹木および毛管力作用による地下水、特に塩水の上方への移動、地上部での塩分蓄積を模擬土壌を用いて検討した。その結果、太陽光を想定した赤外線照射条件下で水分移動が促進され、表層への塩の蓄積を抑制しうることが分かった。また、砂漠に降雨をもたらすためには湿潤な空気と上昇気流が必要であり、人工山の設置する方法と、熱対流により上昇気流を起こす方法とがリストアップされ、検討を進めている。湿潤空気の発生については、人工の浅瀬による蒸発促進を考え、浅瀬での湿潤空気の生成過程を定量化するため、浅い水面上での熱収支モデルを構築し、任意の条件下で平衡水温と水の蒸発速度を推算できるようにした。さらに、砂漠緑化の水収支のうち、モデル実験により蒸散量・土壌水分・地表面蒸発の総合依存関係を調べた。植物の蒸散による水の持ち去りは土壌水分量の豊かさに比例するが、土壌がある程度乾燥すると蒸散量はむしろ抑制されることが明らかになった。 平成7年度は前年度に引き続いて砂漠気象シミュレーションのプログラム開発、および要素技術のモデル化を進めるとともに緑化シナリオの策定および評価を行った。西オーストラリア砂漠内に海岸を含む600km×600kmの領域を設定し、物質収支、エネルギー収支に基づくプログラム計算を行い、大気中の水蒸気量や降雨量の変化を求めた。その結果、アルベド、表面の起伏、含水率を変化させることにより、大気中の水蒸気量や降雨量を増加させることができた。さらに砂漠緑化シナリオの具体性を高めるには、緑化により固定された炭素のコストを計算するとともに、他の対策技術と比較を行うことが必要であり、そのための評価手法および一時的評価の具体例を検討した。二酸化炭素問題は地球温暖化問題、エネルギー問題とも重なる部分が多く、これらへの副次的効果についても検討を進めた。
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