研究分担者 |
国枝 哲夫 岡山大学, 農学部, 助教授 (80178011)
亘 敏広 東京大学, 農学部, 助手 (50220950)
平井 克哉 岐阜大学, 農学部, 教授 (30021702)
松本 芳嗣 東京大学, 農学部, 助教授 (00173922)
辻本 元 東京大学, 農学部, 助教授 (60163804)
高橋 清志 酪農学園大学, 酪農学部, 教授 (90048108)
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研究概要 |
最新の分子生物学的手法を用い、動物の各種疾患のDNA診断を行うことによって正確で効率的な診断法を確立することを目的として以下の項目について研究を行った。遺伝症:ホルスタイン牛の白血球粘着分子異常症(BLAD)においては、CD18遺伝子の128番目のAspがGlyに置換されていることが明らかとなった。黒毛和種牛の血液凝固第XIII因子異常症においては FXIIIA遺伝子の82番目のPheがSerに置換していることが示された。感染症:オウム病については主要外膜蛋白質の塩基配列を用いたPCRの系を確立した。リケッチアについても同様のPCR診断系を確立した。ネコ免疫不全ウイルスについては,env遺伝子のPCR診断系を確立し、さらにサブタイプの判別が可能となり、病原性の違いによる遺伝子の変異についても検討を加えた。また、牛免疫不全ウイルスのpol領域遺伝子を用いた臨床DNA診断系を確立することができた。腫瘍:犬および猫のT細胞リセプター,免疫グロブリンの遺伝子プローブを用いたサザンブロット法により,リンパ系腫瘍の細胞系統およびクローナリティを判別するDNA診断系を確立することができた。犬の自然発生腫瘍におけるp53遺伝子の変異をPCR-SSCP法によって解析し,悪性リンパ腫,白血病,骨肉腫,大腸癌などの症例において,腫瘍化と密接に関連すると思われる変異を検出することができた。また,ネコ白血病ウイルスの共通組み込み領域および癌遺伝子の異常に関して検討を行い、自然発生リンパ腫症例の11例中5例に異常を見い出し,そのなかでc-mycの異常と他の癌遺伝子群の異常との間に関連性が認められた。個体識別:犬のB細胞株cDNAライブラリーから蛋白質翻訳領域の全長を含む2種のMHCclassIIDRBクローンを得ることができ,これら塩基配列を用いることにより,犬のMHCタイピングが可能となった。
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