研究課題/領域番号 |
06304036
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤村 重文 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40006078)
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研究分担者 |
白土 邦男 東北大学, 医学部, 教授 (80004761)
小柳 仁 東京女子, 医科大学, 教授 (90138884)
松田 暉 大阪大学, 医学部, 教授 (00028614)
古瀬 彰 東京大学, 医学部, 教授 (70010163)
加藤 治文 東京医科大学, 教授 (20074768)
小松 作蔵 札幌医科大学, 教授 (00045329)
富田 正雄 長崎大学, 医学部, 教授 (70039808)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
30,100千円 (直接経費: 30,100千円)
1996年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1995年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
1994年度: 13,900千円 (直接経費: 13,900千円)
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キーワード | 肺移植 / 心肺移植 / 肺保存 / 免疫抑制 / 拒絶反応監視 / 心停止ドナー |
研究概要 |
1.肺、心肺の保存に関して一保存液の基本組成としては細胞外液組成であること、そして緩衝作用を有していることが保存上利点が多く、さらに保存温度もその成績を左右する重大な因子であることが確認された。保存肺の機能の改善についてはNOガスの吸入が有用であることが示された。また、保存肺の機能評価法として、Isogravimetric methodによるKf値の算定や肺胞水分クリアランスの測定が有用であることが確認された。 2.移植後の肺水腫、肺傷害に関して一移植後の再潅流傷害に対し、urinastatin、γ-hydroxybutylate、thioredoxin、α-blockerの投与が有効であることが確認された。また、トロンボキサン合成阻害剤が再潅流障害軽減に有用であること、さらに、白血球の除去が再潅流障害の防止に有用であることが従来から報告されていたが、体外循環の後の肺機能を検討した場合でも白血球の除去は肺機能を良好に保つことが確認され、再潅流障害における白血球の関与が異なった観点から示された 3.拒絶反応と免疫抑制に関して一同種肺移植モデルの研究において、ドナーの皮膚線維芽細胞を標的とした細胞傷試験が拒絶反応の診断に有用であり、肺胞間質への細胞浸潤の程度と細胞障害活性の間に強い相関が認められることが判明した。凍結した組織の抗原性低下については、培養細胞を用いた研究において凍結処理がインターフェロン-γへの反応性を低下させることが判明し、その機構の一部が解明された。 4.ドナーソースの拡大に関して一脳死後心停止したドナーからの肺移植がサルを用いた一期的両側肺移植モデルで確認された。さらに同一条件下で摘出された肺を24時間保存しても移植可能であることが証明され、心停止後の肺移植の安全性と有用性が確認され、心拍動下での臓器摘出が困難であることが予想される本邦における肺移植の道の拡大に貢献する成果があげられた。 5.肺移植適応疾患に関して一びまん性肺疾患における肺移植の適応時期の決定は容易ではないが、過去の事例において酸素療法開始時期から死亡までの期間を検討することによって適切な移植決定時期の選定しうる可能性が示された。
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