研究課題/領域番号 |
06305001
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
広領域
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
津田 一郎 北海道大学, 理学部, 教授 (10207384)
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研究分担者 |
北原 和夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (20107692)
柳川 堯 九州大学, 理学部, 教授 (80029488)
四方 義啓 名古屋大学, 理学部, 教授 (50028114)
辻下 徹 北海道大学, 理学部, 教授 (10107063)
岡部 靖憲 東京大学, 工学部, 教授 (30028211)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
1994年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | 微分不可能なアトラクター / カオス的力学系 / 神経回路網 / 因果解析 / 計算理論 / 統計幾何 / カテゴリー論 / 結合格子写像 |
研究概要 |
研究課題明の研究集会を二回行なった。複雑現象の具体例として、嗅球神経回路網の複雑現象、進化過程におけるDNA変化、細胞分化における複雑代謝追程、コウモリやフクロウの音源定位に関する神経興奮、イソアワモケやラットの複雑な神経活動DNA鑑定にみられる統計性の複雑さ、市場経済にみられる複雑さ、多種分子混合による熱力学的諸量の複雑な決定機構等をとりあげた。これらは一見種々雑多な現象とみられるが、これらの現象を統一的に理解するための方法論、及び新しい概念を抽出することに成功した。方法論的には、力学系、確率論、トポロジー、計算理論からカオス的力学系の幾何的及び確率統計的手法、さらにはカオス的力学系の計算機械(オートマトン)表現、現象を幾何学的にみる見方を確率現象にまで拡張した統計的幾何、複雑現象内部の要素間の種々の関係性をとらえる因果解析の手法が抽出され、開発された。されらの手法を個々の現象に適用することで多くの成果が得られた。代表的なものをまとめると次のようになる。(1)カオス的力学系で従来知られていなかった新しいクラスが構成された。微分可能力学系の構造安定なクラスの中に、連続でいたるところ微分不可能なアトラクターをもつクラスが存在し、そのアトラクターのハウスドルフ次元とトポロジカル次元の差が1を越えることがあり、その数学的機構がほぼ明らかになった。また、このクラスは、神経回路網ではむしろ一般的な現象であることも判明した。(2)細胞分化の機械に関する数理的表現が得られた。(3)代謝追程での関数関係が得られた。(4)1970年代の市場変動の日米解析によりマネーサプライがキ-になっていることが判明した。その他多くの成果が得られている。
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