研究課題/領域番号 |
06306022
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研究種目 |
総合研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 悌三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10026031)
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研究分担者 |
安藤 雅孝 京都大学, 防災研究所, 教授 (80027292)
松島 健 九州大学, 理学部, 助手 (40222301)
中村 正夫 東京大学, 地震研究所, 助手 (10012949)
鈴木 祥之 京都大学, 防災研究所, 助教授 (50027281)
梅田 康弘 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10025421)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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キーワード | 兵庫県南部地震 / 地震観測 / GPS観測 / 地盤震動 / 液状化現象 / 構造物被害 / ライフライン被害 / 危機管理 |
研究概要 |
地震観測班等は、緊急地殻活動調査班と連携して、地震観測点とGPS観測点の設営並びに本部集中収録解析システムの構築を行い、地震観測25地点、GPS観測21地点で観測を実施した。また、既設観測網により余震及び地殻変動のリアルタイムによる追跡を行い、気象庁、国土地理院等の関連機関にデータを提供、余震情報の正確な把握に勤めた。神戸港では海底活断層調査も実施している。その他、陸上断層調査、全磁力(8地点)、地震流(4地点)の連続観測を行った。 地震動及び地盤振動に関しては、神戸市東灘区に2観測点を1月18日より順次設置、北大・東大・京大防災研などの強震観測グループにより、東灘区に5点、神戸市域および淡路島に計21点の地震計を設置するとともに、東灘区では重列観測は被害の集中した阪急線以南、国道43号線以北の領域とその他の地域との震動特性の比較を行った。現在も余震観測を継続して行っている。多点同時観測による地盤震動特性を明らかにし、構造物被害との関連について検討した。地盤の液状化及び傾斜地の斜面崩壊災害については、神戸市南部の埋め立て地(ウォーターフロント)を調査し、地盤の液状化の調査を実施したが、沈下はかなり厳しい状況にある。また、岸壁の移動を測定し、埋立工法の耐震性について検討した。西宮市仁川町6丁の目山地崩壊現場を空からの視察と直接現地の調査により、崩壊の全貌を把握、崩壊のメカニズムを解明した。 ライフライン被害については、被害の状況を正確に把握するとともに、復旧プロセスを調査し、問題点を明らかにした。高速道路・鉄道などの交通施設の被害については、神戸市長田区、中央区、六甲口まで鉄道・道路の詳細な調査を行い、地震動強度と被害の関連・設計レベルとの相関について検討した。 建築構造物調査班は、神戸市中央区・灘区・東灘区など最も被害の激しい地区を中心に、建物全数の調査を行い、建物種別・構造種別・階数・被害箇所を調べ、被害要因について分析するための基礎調査を行った。木造住宅の被害要因、既存鉄筋コンクリート造建物の被害状況と現行の建築基準法に基づいて設計された建物の被害状況を比較する資料を得た。さらに、本地震による特徴的な被害の原因について検討した。。 火災発生原因の究明と消火活動については、神戸市内一体の火災発生地域において住民からのヒヤリングを行い、火災発生の原因、延焼による被害の拡大プロセスについて明らかにした。地域・社会に及ぼす影響については、西宮、神戸方面において避難所、被災住宅、商店を尋ね、住民の困窮度、生活上のニーズなどのヒアリングを行った。また、避難所の運営する立場の人から運営上の問題点を、警察、消防、自衛隊から危機管理方法について聞き取り調査を行った。これまでの地震被害調査の経験から、被災者への「こころのケア」をめざして被災者の体験情報を提供し、被災住民への心理的援助を行うとともに被災者からの問題点を抽出した。
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