配分額 *注記 |
13,800千円 (直接経費: 13,800千円)
1996年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 9,700千円 (直接経費: 9,700千円)
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研究概要 |
東京首都圏でのやや長周期地震動の特性予測を目的として開始された本研究は,その途上で兵庫県南部地震に遭遇したことによって軌道修正を加えながら進められることになった.その結果として,東京首都圏が位置する関東平野と神戸・阪神・大阪を含めた大阪平野とを常に対比させながら,以下のような知見を得ることが出来た. 1)関東平野を対象として,(1)平野端部の側方境界から到来する地震波動の性質に着目し,(2)それに相応しい地震動アレー観測態勢の補強を行い,(3)一方において地下深部構造のモデル化に関する最新の知見を整理した上で,(4)M8級の地震を対象としたやや長周期地震動の特性評価を実施した. 2)1995年兵庫県南部地震を対象として,(1)余震観測を京都大学防災研究所等と共同で神戸市東灘区において実施し,(2)それらの結果と地盤調査結果に基づき地震動特性と地下構造との関係について検討ののち,(3)被害の特徴とその原因について考察を行った. 以上の議論を踏まえて得られた現時点での本研究の結論は以下のごとくである.すなわち,兵庫県南部地震において周期1〜2秒以下の地震動成分が非常に大きかったことは事実であるが,それよりも長周期帯域の地震動については,逆に東京首都圏の方が危険度が高いものと考えられる.その理由としては,規模の大きなプレート境界の地震が近距離かつ非常に浅い位置で発生する可能性を有しており,それによって震源特性としてすでに長周期成分を多く含んでいる上に,関東平野という巨大な堆積盆地がその長周期成分をさらに増幅変調する相乗効果によるものであることを指摘することができる.
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