研究分担者 |
和田 親宗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (50281837)
井野 秀一 北海道大学, 電子科学研究所, 講師 (70250511)
松島 純一 北海道大学, 医学部, 講師 (60173829)
高橋 誠 北海道大学, 工学部, 助教授 (10154858)
大山 征夫 (犬山 征夫) 北海道大学, 医学部, 教授 (70051480)
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配分額 *注記 |
27,700千円 (直接経費: 27,700千円)
1996年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1995年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
1994年度: 12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
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研究概要 |
本課題は聴覚系や発声系の欠損や機能低下を補助する方式を探るために生体音響学の観点から研究を進めることである。具体的には,聴覚代行,音声認識,盲人補助,発声代行などの研究に焦点が絞られ,いずれも生体音響学が底流にある。本年度得られた成果を以下に要約する。 1)触覚を介する聴覚代行では,振動パターンを子音に点字のような凸点パターンを母音に対応させ,それを指先上をスウィープする方法で音声認識率が大きく向上することを確認するとともに,普及型の触覚ボコーダの開発を行った。 2)中途失聴者は手話や読話を覚えるのが大変であり実際には筆談を利用している。この筆談の代行となる単音節音声タイプライタは17年ほど前に実用化したことがある。しかし,高価で普及しなかったため電気メーカの協力も基で実用器の設計を行った。 3)昨年度は聴神経電気刺激法で耳鳴り患者の1/3が改善されることを,約1000耳による検査を通じて明確にし,耳鳴りが始まったら自分で治療できるような埋め込み式耳鳴り治療器を開発した。これを7名の患者に埋め込んだところ,電気刺激後に爽快感が得られたり,眠気をもようしたり,音声の聞き取りが改善されるなどの知見を得ており,聴神経の電気刺激が中枢の大脳辺縁系に及んでいるという仮説を立てることができた。 4)喉頭摘出者のための人口喉頭については,患者の呼気圧でピッチ周波数を制御させることで極めて自然性の高い音声が生成されることを把握してきた。本年度は今までの成果を基に試作器を作り,実際に患者に適用してその有効性を確かめた。さらに,本年の4月に普及型の装置が開発されることになった。 5)高齢者の感音性難聴には音声を「ゆっくり」「はっきり」聞かせるディジタル補聴器が有効であること改めて実証し,「ゆっくり」聞かせる話速変換型補聴器を実用化するとともに,イントネーションを強調する「はっきり」聞かせる補聴器の設計を行った。
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