配分額 *注記 |
27,200千円 (直接経費: 27,200千円)
1996年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
1995年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
1994年度: 14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
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研究概要 |
水素結合鎖を持つ電荷移動錯体(水素結合型電荷移動錯体)において,プロトンと電子が連動して分子間で相互作用すれば,特異な物性が発現すると期待される.本研究計画においては,多様な水素結合型電荷移動錯体を設計・合成し,プロトン-電子連動現象を発現する新物質の開発を行った.具体的には主に次のような水素結合型電荷移動錯体を設計・合成し,その基礎的諸性質を調べた。 (1)拡張共役キンヒドロン系を構成成分とするプロトン-電子連動型物質,(2)遷移金属を含むウロトン -電子連動型物質 研究計画(1)ではビフェノキノンおよびそのハイドロキノン体を約20種類合成した.このとき置換基としてメチルチオ基,電子供与基,電子受容基などを選択した.さらも酸化還元電位など,キンヒドロン型錯体の構成成分として基本的な諸性質を明らかにした.キンヒドロン型錯体の合成は現在検討中である.(2)では次のような種々の水素結合型遷移金属錯体を合成した.先ず,新しい二核化三座配位子の設計・合成,およびこれを用いて二つの銅原子の環境が等価な平面型混合原子価錯体の合成に成功した.次に,新しいジアミノグリオキシム型の配位子を設計・合成し,これを用いて水素結合型金属錯体および有機アクセプターとの電荷移動錯体の作成にも成功した.この錯体では,水素結合の関与する新しい金属-半導体転移が起こることを見出した.
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