研究課題/領域番号 |
06403019
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物・生体工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
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研究分担者 |
魚住 信之 名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (40223515)
本多 裕之 名古屋大学, 工学部, 助教授 (70209328)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
34,300千円 (直接経費: 34,300千円)
1996年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1995年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1994年度: 20,700千円 (直接経費: 20,700千円)
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キーワード | 人工種子 / 再分化 / 毛状根 / 不定胚 / 機械的切断 / 二次代謝産物 / 保存 / 培養工学 |
研究概要 |
極く近い将来の食糧不足に対処するために、迅速な育種法及び優良植物の大量繁殖法が考案されねばならない。その一つとして人工種子システムについて研究した。人工種子に封入する植物体としては、未分化細胞である植物カルスから誘導される不定胚を用いる。そこで、不定胚を経由する再分化小植物体の効率的な生産方式の確立と内封物の選別方法の自動化について重点的に研究した。具体的には、植物細胞をアルギン酸で固定化し、高い剪断応力から植物細胞を保護すると同時に、アルギン酸から培地中に漏れ出てくる細胞が大部分不定胚となっていることをセロリ細胞について見いだした。この培養法はスケールアップが比較的簡単であり、かつ効率よく同調性の高い不定胚を生産することができる点で画期的な培養法である。内封物の選別方法の自動化については、知識工学的手法を応用することによって不定胚の成長段階の客観的評価を可能にし、コンピューターを組み込んだロボットシステムによって人工種子に適した不定胚・不定芽を自動選抜しうることを示した。さらに、色情報を取り入れることも重要であることがわかった。 また、我々は不定胚以外の内封物として毛状根由来の不定芽を利用することがよいことを提案した。毛状根の最大の特徴は遺伝的に非常に安定であることであり、未分化細胞が遺伝的に不安定なことと対照的である。このように毛状根は形質転換されており、通常の植物と比較して二次代謝産物などの有用物質が多く含まれているものが多く、再分化した植物体は農業上優れた性質をもつ。さらに毛状根を誘導する際、Riプラスミドに外来遺伝子を挿入する操作により、既存の植物よりも優れた性質を遺伝子レベルで付与した新しい機能を持つ遺伝子組換え植物を生産できる。そこで、毛状根を利用した人工種子の製造プロセスの効率化を検討し、大量生産に適したシステムであることがわかった。
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