配分額 *注記 |
29,300千円 (直接経費: 29,300千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1995年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1994年度: 18,800千円 (直接経費: 18,800千円)
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研究概要 |
エンドウ褐紋病菌の生産するエリシターとサプレッサーは防御応答のスイッチのon-offを行うシグナル分子である。これらの受容から遺伝子応答に至る流れの解明を目指し研究を行った。原形質膜における情報伝達解析と並行して、細胞壁画分から、エリシター・サプレッサー感応性の酵素群を検索した結果、ATPase(NTPase)、パーオキシデ-ス(POX)、アスコルビン酸オキシデ-スがエリシターによって活性が増高し、サプレッサーによって種特異的に阻害を受けた。分離細胞壁におけるスーパーオキサイドと感染阻害物質の生産には連携が認められ、病原菌シグナルで制御される事も明らかとなった。さらに、細胞壁にはヴィトロネクチン様蛋白分子が存在し、原形質膜蛋白質とRGD配列を介して連携しており、ファイトアレキシン生産のシグナル伝達を担うことが判ってきた。このように植物細胞壁は病原菌シグナルの認識・受容と変換・増幅の場であると同時に防御応答の最前線であり、細胞壁が種特異性決定に重要な役割を果たす可能性が示唆された。 病原菌シグナル因子による植物防御遺伝子の発現調節に必要なシス・トランス因子の割り出しを進めた。PAL,CHS遺伝子プロモータにGUSを連結した遺伝子を導入したトランスジェニック植物やトランジェントアッセイにより以下の結果を得た。1)PSPAL1,PSPAL2各遺伝子5′-プロモータ領域のエリシターやUV応答に必要なシス因子の候補はbox1(L-box),box2(P-box),box4(AT-box)である。2)PSPAL1,2、およびPSCHS1,2のすべてのプロモータ領域のAT-rich配列はDNA/タンパク質複合体を形成し、結合には核タンパク質のリン酸化が必要である。3)エリシター応答のカルコン合成酵素遺伝子のプロモータにはBox-1,G-Box,Box-2配列が重要である。
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