研究分担者 |
古川 一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (40240957)
森川 利信 大阪府立大学, 農学部, 講師 (90145821)
大木 理 大阪府立大学, 農学部, 講師 (00128761)
森 源治郎 (森源 治郎) 大阪府立大学, 農学部, 講師 (20081515)
山口 俊彦 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (30081558)
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研究概要 |
供試した細胞レーザーメスは窒素レーザー(波長337.1nm)の発振,増幅部,レーザーを取り入れ細胞に照射する顕微鏡部(倒立)およびモニター部から構成されている。この装置を用い,337.1nm,パルス巾3nsのN_2レーザーマイクロビームをタバコ,メロン等の培養細胞へ照射したところ,1.5〜6μj/spotのエネルギーレベルで,細胞を死滅させることなく,細胞壁および細胞膜への0.5μm前後の穿孔が可能であった。また、Fluorescent-Isothyocyanate(FITC)を用い、外来物質の導入に及ぼす浸透圧の影響を調べたところ,各種花粉細胞では0.3Mが最適で,最高66.3%の花粉にFITCの導入が認められた。供与DNAとしてpB1121(GUS,NPTII)を用いて,0.3Mの浸透圧でレーザー法によるホウセンカ(Jmpatiens balsamina.,L.walleriana),シロバナヒガンバナ(Lycorys alblflora)等の花粉細胞への直接遺伝子導入を試みたところ,3μj/spotのエネルギーレベルで照射した時に,一過的なGUS遺伝子の発現率は最高24%に達した。また,タバコ葉へのキュウリモザイクウイルス遺伝子(CMV-RNA)の導入実験では,導入24時間後には表皮細胞とその周辺細胞でCMVの増殖が確認された。これらの結果から,N_2レーザーマイクロビームは植物細胞への効率的な遺伝子導入に適していると考えられた。特に特定の細胞の特定部位(核等)を狙った照射が可能であり,単細胞又はプロトプラストレベルでの照射に適していると考えられた。又,ウイルス抵抗性のアフリカ産メロンと同属異種野生植物であるCucumis figareiのCMVに対する抵抗性機構は組織レベルで発現することを明らかにし,抵抗性打破に関与するウイルス側の因子はRNA3にあることを確認した。このRNA3にコードされる3aタンパク質および外被タンパク質遺伝子をレーザー法によりタバコに導入し,形質転換体を得た。
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