配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1997年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1996年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
1995年度: 6,800千円 (直接経費: 6,800千円)
1994年度: 7,300千円 (直接経費: 7,300千円)
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研究概要 |
B型肝炎ウイルス(HBV)に関して,long-PCR法により増幅,doningした3.2kbのwildtypeHBVDNAをヒト肝癌細胞にtransfectionすることにより複製,増殖する系を用いて,ウイルス変異の複製,薬剤耐性に及ぼす影響を検討した.HBV DNA polymeraseのreversetranscriptase活性中心であるTyr,Met,Asp,Aspmotif(YMDD motif)にPCR-mediated mutagenesisによりmutationを導入することでMetをVal,Leu,Ile,Alaに置換した変異HBV DNAを作成し、その複製機能を検討した.Val,Leu,Ile,Ala置換による変異HBV DNAは複機能が認められたが,Lys,Thr,Arg置換による変異HBV DNAは複機能がなかった.また,複製可能なdoneに対し、逆転写酵素阻害剤であるlamivudineを作用させたところVal,Ile置換による変異HBV DNAがlamivudine耐性であることが判明した.HBV DNA polymeraseのYMDD motifにおける1アミノ酸置換はHBVの複機能に著しく影響し,しかもlamivudine感受性を規定していることが明らかとなった.また,lamivudine耐株性に異なる逆転写酵素阻害剤であるadefovir(PMEA)を作用させ,lamivudine耐株性がadefovirに感受性であることを見だした. C型肝炎ウイルス(HCV)に関して,HCV NS5A蛋白の一部が酵母およびヒト肝癌細胞において強い転写活性化能を示すことを見出した.すなわち,酵母の転写因子であるGAL4のDNA結合領域とHCV NS5Aの融合蛋白を酵母およびヒト肝癌細胞にて発見し,LacZ,CATをreporter geneとして転写活性化能につき検討した結果,N端領域を欠失したHCV NS5A蛋白に強い転写活性化能があることが判明した.癌ウイルスの癌遺伝子の多くが転写活性化因子であることから,C型肝炎における肝発ガンにNS5Aが関与している可能性がある。
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