研究課題/領域番号 |
06404062
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
本田 孔士 京都大学, 医学研究科, 教授 (90026930)
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研究分担者 |
谷原 秀信 京都大学, 医学研究科, 講師 (60217148)
柏井 聡 京都大学, 医学研究科, 講師 (50194717)
小椋 祐一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70191963)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
27,900千円 (直接経費: 27,900千円)
1995年度: 9,600千円 (直接経費: 9,600千円)
1994年度: 18,300千円 (直接経費: 18,300千円)
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キーワード | 網膜虚血 / 遅発性神経細胞死 / グルタミン酸 / N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA) / カルシウム / 一酸化窒素 / スパーオキサイド / 培養網膜神経細胞 / 網膜 / 虚血 / 神経細胞死 / N-メチル-D-アスパラギン酸 |
研究概要 |
我々は、ラット初代培養網膜神経細胞を用いてグルタミン酸による神経細胞死がN-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体を介して発現することはすでに突き止めていたが、この細胞死にNOが関与するかどうかについて精力的に研究した。まず、我々の培養網膜細胞系においてNO合成能があるかどうかをみるため、培養網膜細胞のNO合成酵素活性を測定し5±3pmol/min/mg proteinあることがわかり、続いて、NO合成酵素であるNADPH diaphorase染色を行い培養細胞の一部に陽性細胞があることを突き止め、培養網膜細胞にNO合成能があることを確認した。また、神経細胞化学的研究からNMDA受容体を介するグルタミン酸誘発細胞死にNOが介在していることを見いだした。網膜神経細胞系では一旦NOが発生するとCa^<2+>流入とは無関係に網膜神経細胞死が生じることがわかり、Ca^<2+>流入はNO合成酵素の活性化のための前段階でありNOが細胞死の直接の引き金となっていることがわかった。ところが、NOそのものには毒性はなく、むしろ低濃度ではグルタミン酸誘発網膜神経毒に拮抗しNOが保護的に作用するという逆説的作用があることを見いだした。この保護作用は、網膜神経細胞のパッチクランプ法による単一細胞でのwhole-cell currentsの研究から、NMDA受容体がNOによって抑制されることに基づくことがわかった。一方、高濃度のNOの毒性は過剰のNOが活性酸素(スパーオキサイド)と反応して生じたペルオキシ亜硝酸(ONOO)に基づく現象であることを突き止めた。
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