研究課題/領域番号 |
06404066
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 甫 徳島大学, 歯学部, 教授 (70028364)
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研究分担者 |
TOMASZ S.M. 徳島大学, 歯学部, 助手 (00294702)
江口 貴文 徳島大学, 歯学部, 助手 (90263847)
石川 康子 徳島大学, 歯学部, 助教授 (40144985)
天野 伊知郎 徳島大学, 歯学部, 助手 (20212566)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
24,800千円 (直接経費: 24,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
1995年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1994年度: 16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
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キーワード | 唾液腺 / 細胞膜受容体 / 過感作現象 / 脱感作現象 / GTP結合蛋白質 / りん酸化 / ADP-リボシル化 / オカダ酸 / 40KDa蛋白質 / 34KDa蛋白質 / 老化 / 細胞増殖 / イソプロテレノール / 核蛋白質 / ヒストン蛋白質 / 非ヒストン蛋白質 / 唾液分泌 / 感作 / 脱感作 / 受容体 / G蛋白質 |
研究概要 |
神経伝達物質や作動薬による情報を選択的に受容する細胞膜受容体はこれらの物質との相互作用や加齢に伴って変化し、細胞内情報伝達機構も変化して様々な現象が誘導されるが、この機序は不明な点が極めて多い。本研究はラット唾液腺を用いてβ作動薬やヒスタミン(H)による唾液分泌の過感作や脱感作現象及び細胞増殖現象とその加齢変化の分子機構を追求し、次の成果を得た。 1.ラット唾液腺β_2受容体、ムスカリンM_3受容体、H(H_2)受容体はその作動薬による短時間前処理によって受容体濃度の減少、作動薬に対する親和性の低下、アミラーゼやムチン分泌の抑制(脱感作現象)が誘導された。しかし、耳下腺のみ、β_2作動薬(β_2)による前処理が10分以内の場合にβ_2受容体濃度の上昇と、β_2作動薬に対する親和性の増強、アミラーゼ分泌の増強(過感作現象)が誘導された。 2.β_2やHによる脱感作時にはGi2αの機能が増強され、β_2による過感作時にはGi2αの機能は抑制された。Gsα及びGi2αのレベルは全く変動しなかった。 3.Gi2αはプロテインキナーゼA(PKA)によりりん酸化され、プロテインホスファターゼ2A(PP2A)により脱りん酸化された。β_2やHによる脱感作時にPKA活性は低下し、PP2A活性は上昇していた。逆にβ_2による過感作時にはPKA活性は上昇し、PP2A活性は低下していた。 4.PP2A活性を阻害する濃度のオカダ酸によりβ_2やHによる脱感作は完全に消失し、過感作は増強された。 5.ラット唾液腺ではβ_2-、H_2-、M_3-受容体量及びそれぞれの作動薬に対する親和性は1週齢より増加して4週齢で成熟レベルに達し、以後加齢と共に低下した。とくにGsαの機能の促進が生後認められ8週齢で最高となり、その後低下した。Giαの機能は8週齢から増加し、12週齢で最高に達した。 6.β_2による唾液腺細胞分裂開始時間及び細胞分裂活性もβ_2受容体、細胞内情報伝達系の生後変化と一致していた。
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