研究課題/領域番号 |
06404072
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
佐藤 光信 徳島大学, 歯学部, 教授 (00028763)
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研究分担者 |
東 雅之 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (20144983)
由良 義明 徳島大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00136277)
吉田 秀夫 徳島大学, 歯学部, 助教授 (30116131)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
30,400千円 (直接経費: 30,400千円)
1996年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1995年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1994年度: 25,700千円 (直接経費: 25,700千円)
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キーワード | ヒト唾液腺癌細胞 / 薬物受容体 / FdUMP / 細胞分化 / アポトーシス / サイトケラチン / プロテオソーム / プレクチン |
研究概要 |
1.ヒト唾液腺癌細胞(HSG)を5-fluorodeoxyuridine monophosphate(FdUMP)で処理すると、ミオシン、S-100タンパクβ鎖、飲小胞、ミオフィラメントを発現し、筋上皮細胞に分化誘導されることが、蛍光抗体法、immunoblotting、電顕、免疫電顕により検出された。更に、アポトーシスの誘導が電顕、核DNAのアガロース電気泳動法、3'-OH nick-end labellingにより確認された。 2.HSG細胞膜のFdUMP受容体に対する^3H標識FdUMPの結合についてScatchard解析を行うと、Kd=3.7×10^<-10>Mであり、HSG細胞は10^6個/cellのFdUMPの受容体を保有していることが明らかになった。 3.HSG細胞膜のFdUMP受容体と反応するマウス単クローン抗体(MAb)(5B/10)を調製した。5B/10MAbはFdUMPによるHSG細胞の増殖抑制を解除することにより、FdUMPレセプターを認識するMAbと考えられる。そこで、5B/10MAbをリガンドとしたアフィニティ・クロマトグラフィーおよびFdUMP交換反応を利用してFdUMP受容体タンパクを精製し28KDaと84KDaのタンパクを得た。更に、5B/10MAbにより認識されるFdUMP受容体は、唾液腺癌、胃癌、大腸癌等の腺癌で高頻度に発現していることが明らかになった。 4.FdUMPアフィニティカラムを作製し、HSG細胞より調製したタンパクをカップリングし、結合タンパクを溶出し28KDaのタンパクを得た。そのアミノ酸シークエンスの分析結果は、type II keratinに属するCK5、CK6、CK8の配列であるNLDLDSIIAEVKAと解読できた。 HSG細胞mRNAを用いて、anti-sense oriented cDNAlibraryを構築した。この発現libraryをHSG細胞にトランスフェクションして、FdUMP存在下でも増殖可能な細胞クローンを得た。このクローンより遺伝子を回収した。その結果、プロテオソームとプレクチン遺伝子を検出した。以上の結果より中間径フィラメントにアダプター分子として結合しているプレクチンにFdUMPが結合しHSG細胞の分化・アポトーシス誘導に関連したシグナルを伝え、その下流にプロテオソームが更に重要な役割を担っているものと思われる。
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