研究課題/領域番号 |
06404077
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
人類遺伝学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田中 亀代次 (田中 亀氏次) 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (80144450)
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研究分担者 |
西條 将文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90221986)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
21,000千円 (直接経費: 21,000千円)
1995年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
1994年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | DNA修復 / 色素性乾皮症 / DNA結合 / Znフィンガー / 遺伝子ターゲティング / ノックアウトマウス / 発がん / p53遺伝子 / DNA結合ドメイン / 紫外線 |
研究概要 |
A群色素性乾皮症遺伝子(XPA遺伝子)産物であるXPA蛋白質は、UV等で障害を受けたDNAに選択的に結合する活性を持ち、ヌクレオチド除去修復(NER)機構の障害DNA認識過程に関与する蛋白質である。そのDNA結合能領域は、98番目のメチオニンから219番目のフェニールアラニンまでの領域にあり、C4タイプZnフィンガーモチーフを含む。さらに、XPA蛋白質は他の修復蛋白質と相互作用する機能を持ち、酵母のtwo hybrid system法により、XPA蛋白質が、RPA(replication protein A)やERCC1蛋白質と結合する事を明らかにし、その結合ドメインを同定した。XPA蛋白質とERCC1蛋白質あるいはRPAとの相互作用によって、その障害DNA結合能が著明に増強する事を明らかにし、これらの相互作用が、NER機構の障害DNAの認識過程に関与している事を示唆した。新規のXPA結合蛋白質遺伝子の酵母ホモログをクローニングしたので、それを破壊した酵母を作成し、NER機能に異常を示すか否かを調べている。また、新規のXPA結合蛋白質に対する抗体を作成したので、NER機能がこれらの抗体で抑制されるか否かを調べている。一方、遺伝子ターゲティング法によりXPA遺伝子を破壊し、DNA修復能を欠損したマウスを樹立した。これらのマウスではUVB照射により高頻度に皮膚癌を発生した。これらの癌におけるp53遺伝子の突然変異を調べたところ、いずれも、DNA結合領域における転写鎖のジピリミジン部位でC→Tトランジションが起こっている事が解かった。これらの変異がUV障害に起因する事、転写鎖の変異が発癌に有利に働く事が示唆された。XPA欠損マウスでは、神経病理学的に異常は認められなかったものの、有意に脳重量が小さい事が解かり、A群XP患者に認められる小頭症のモデルになりうる事が示唆された。
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