研究課題/領域番号 |
06451006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
印度哲学(含仏教学)
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
北畠 典生 龍谷大学, 文学部, 教授 (30081037)
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研究分担者 |
藤丸 要 龍谷大学, 経済学部, 兼任講師
後藤 康夫 龍谷大学, 短期大学部, 兼任講師
間中 潤 仏教文化研究所, 客員研究員
武田 宏道 龍谷大学, 文学部, 助教授 (50247813)
楠 淳證 龍谷大学, 文学部, 助教授 (70214955)
間 中潤 龍谷大学, 仏教文化研究所, 客員研究員
城福 雅伸 龍谷大学, 文学部, 兼任講師
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
1996年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 論義 / 中道 / 三性三無性 / 護法 / 清弁 / 三時教判 / 解深密経 / 貞慶 / 唯識 / 慈恩大師基 / 〓州大師慧沼 / 善珠 / 真興 / 唯識思想 / 短釈 / 一法中道 |
研究概要 |
日本における唯識思想は、論義によって練り上げられ、論義によって大成されたといっても決して過言ではない。日本の「論義」は各種の法会・講会に際して行われた教学実践のたまものであり、鎌倉初期には『成唯識論』をもとに実に千百有余の論題が成立するに至っている。かかる観点より、日本の唯識思想を解明するにあたっては論義研究が急務であるとの認識のもと、昭和60年頃より共同研究を開始した。その結果、処々に秘蔵されている論義抄(論義に関わる総合書)と短釈(一論義一論草)の蒐集ならびにその翻刻・研究をはじめた。そのような折、平成6年度より科研の助成をいただけることになり、また薬師寺より同寺所蔵の諸短釈の研究を正式に依頼されたこともあいまって、本研究は加速度的に進展することになる。かくして、平成6年度からは「薬師寺短釈」の調査研究を核にしながら、「一法中道」と「深密三時」という二つの論義についての研究を行うこととなり、ここにその成果を発表するに至った次第である。 なお、両研究によって得られた成果は大きく、従来の定説を覆すにたるものであったと考えている。すなわち、薬師寺より見つかった多量の新資料をもとに行った「一法中道」の研究においては、中道説に五種類あったことや、良遍の『観心覚夢鈔』所収の「二重中道」が実は「一法中道」であったことなど、新たな発見や新見解があいついだ。また、今一つの「深密三時」についても、五種類の三時説や、それを誰が提唱したかなど、従来の見解を超える新たな発見があいついだ。何れも従来の定説を一変させる価値ある研究であったと考えている。まだ、興福寺や無為信寺には未蒐集の資料が膨大に存している。更なる研究の継続が望まれるところである。
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