研究課題/領域番号 |
06451072
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
考古学(含先史学)
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
阿部 朝衛 帝京大学, 文学部, 助教授 (20175178)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1996年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 石材獲得システム / 石材環境 / 旧石器時代 / 縄文時代 / 近隣地 / 遠隔地 / 頁石 / 安山岩 / 遠隔地型 / 近隣地型 / 限定型 / 多様型 |
研究概要 |
新潟県北部地域を選んで、石材環境を把握した後、縄文時代の石材獲得方法との比較によって旧石器時代の石材獲得システムの検討を行い、次のような結論を得るに至った。 1、新潟県北部の各河川地域で採集される石材は多様であるが、山形県や南の信濃川流域の石材環境とは明らかに異なる。しかし、旧石器時代では新潟県北部の石材は一部を除けば用いられておらず、石材の種類は限定されている。それらは遺跡から20km以上も離れた遠隔地のものである。このような遺跡を遠隔地型と呼ぶ。 2、縄文時代の石材は旧石器時代よりも明らかに種類が多く、多様である。また遺跡から10km以内の近隣地からの石材で構成される。このような遺跡を近隣地型と呼ぶ。ただし、時代あるいは石材環境によって遠隔地型に近い遺跡が若干存在する。 3、縄文時代の近隣地型は周辺地域の石材環境を素直に利用した結果であるが、これには定住化の度合が高い、石器消費量が大きい、石器の大きさ・形が多様性に富む、二次加工技術が発達しているということが関与している。また、縄文時代で遠隔地の石材を比較的多く用いている遺跡が若干みられるが、これは定住化の度合が若干低い、もしくは交換網が発達していることによる。 4、3の成果と比較すると、旧石器時代では3であげた諸要素の逆のことが関与しているとみられる。すなわち、移動的である、消費量が小さい、二次加工技術に重きをおいていない、交換網が広いということである。そして、旧石器時代の中でこれら諸要素のゆらぎによって、システムが変化したと考えられる。特に後期旧石器時代初頭前後、ポイント・細石刃の時期が注目され、そして縄文時代への移行期の変動が最も著しい。
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