研究課題/領域番号 |
06451079
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高田 康成 東京大学, 教養学部, 教授 (10116056)
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研究分担者 |
塚本 明子 東京大学, 教養学部, 教授 (50064233)
本村 凌二 (木村 凌二) 東京大学, 教養学部, 教授 (40147880)
木畑 洋一 東京大学, 教養学部, 教授 (10012501)
山中 桂一 東京大学, 教養学部, 教授 (20056055)
出淵 博 (出渕 博) 東京大学, 教養学部, 教授 (40016621)
高橋 和久 東京大学, 教養学部, 助教授 (10108102)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
1995年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1994年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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キーワード | 理性 / 表象 / 歴史 / 近代 / 反復 / 史観 / 世俗化 / 差延 / イメージ / 統御 / 有機的統括 / 身体 / 主体 / 精神 |
研究概要 |
最終年度の研究成果は以下の二つの相互に関連した問題に要約することができる。 (1)「歴史」的考察における理性表象の問題。(2)「近代とポスト・もだん」における理性表象の問題。(1)人類史としての「歴史」を構築する際、基本的な構造として、西洋古代によく行われた「循環」史およびユダヤの民族と宗教に発し「初め」と「終わり」を持つ「直線的」史観が存在する。いずれの場合も、本来「偶然」に支配される「歴史」的事象を説明することが当然求められる。前者の場合、「理性」は、一方で循環に見ることができる「反復」を抽象して、それを肯定的に捕らえて自らの歴史記述の原理へと高めようとする。他方しかし、その同じ「反復」を否定的に認識し、虚無的締観へと「歴史」を向かわしめることもありうる。後者の場合、元来宗教的な観点からは「非理性的」な次元に属することながら、キリスト教をへて「世俗化」して、終始の明確ならざるしかし「直線的」な構造を持つ「近代的進歩史観」へと変容を遂げるという前提に立つならば、それはヘーゲルのいわゆる「理性の狡知」として表象されることになる。(2)「近代」の「歴史」における理性表象が「絶対精神」というような「概念的構築」に収斂し、しかも現実の政治的大問題との対決を余儀なくされたとするならば、「ポスト・モダン」における「歴史的理性」は、政治的権力に対して慎重で有り続けると同時に、折しも台頭したメディアとの関係において自らの原理を模索しなければならない。それは、「権力」と「知」の間で無定型にしかし確実に散見される「差延」(デリダ)のようなものとして表象されることになった。
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