研究課題/領域番号 |
06451107
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
井川 一宏 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (80031392)
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研究分担者 |
中西 訓詞 (中西 訓嗣) 神戸大学, 経済学部, 助教授 (20237324)
マクリアリ ロバート ケ (マクリアリ ロバート / マクリアリ ロバート ケネス) 神戸大学, 経済経営研究所, 助教授 (90252808)
阿部 茂行 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (60140076)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 産業内貿易 / 直接投資 / 経済の空洞化 / APEC / ASEAN / NAFTA / 製造業 / 顕示比較優位 / 日本経済の空洞化 / 直接投資と貿易 / 日本とアジアへの貿易 / CGEモデル / SITC5桁データ / 日本企業の海外進出 |
研究概要 |
1.アメリカ経済の空洞化問題と同様に、日本からアジアへの直接投資とそれに伴う日本経済の産業調整が、日本国内の製造業の相対的(絶対的)縮小を招く現象を実証的に捉えることがこのプロジェクトの目的である。構造変化の理論モデルと貿易データ・投資データを結合して、日・米を含む太平洋諸国の分業システム、したがって経済構造の現状と将来方向を検討した。 2. SITC 5桁の細分類された製造品の貿易データ、日本企業の海外進出データ、日本統計年鑑の産業別データを整理して、次の問題に焦点を合わせて分析した。 (1)日本企業の貿易・投資におけるグローバルな活動から、日本が国際分業の中でどのような位置を占めていて、近い将来それがどうなるかについて、日本の産業を中心に検討する。 (2)日本のアセアンへの直接投資とそれに伴う産業内貿易の進展の結果、産業の上流・下流の工程間分業がどのレベルにあり、今後どうなると考えられるかを検討する。 (3) APEC, ASEAN, NAFTAなどの地域統合が重なり合い、競争し合うなかで、日本経済の空洞化に留意した地域統合に対する日本の選択すべき方向を検討する。 3.日本経済の空洞化に関連して得られた知見の主たるものは、以下の通りである。 (1)アジア・太平洋地域の産業内貿易、特に製造品のうち比較的資本・技術集約的と考えられる商品の途上国と先進国の間の貿易が拡大している。 (2)日本の製造業では、技術集約的・知識集約的な業種の競争力が重要であり、その点を考慮のした工程間分業も重要である。 (3)サービス産業の競争力は、これまでの保護・規制政策によって、アメリカに劣るが、政策の変更によって競争力を付け、その分野での直接投資・海外活動も期待できる。 (4) APECのなかで、日本はアジアとアメリカの仲介的な役割を果たさなければならない。そのためには、技術力の向上とそのスムーズな移転が必要である。 (5)アジア・太平洋地域のいろいろな形での経済統合は、この地域の経済発展からみて多くの面で有意義である。このことは、日本経済にとってもプラスに作用する要因となる。 4.いくつかのペ-パ-は、学会・国際会議などの場を使って報告し、広く外国の専門家からのコメントを得ている。具体的には、「アジア・太平洋の新秩序」(タイ国)、「東アジアの協力」(韓国)、「西アメリカ経済学会」(香港)、「北米フォーラム」(米国)等である。なお、CGEモデルは当初の計画からみて不満足な結果にあり、まとめるにあたって、多くの貿易・直接投資・産業データを使った分析でそれを補うこととした。
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