研究課題/領域番号 |
06451111
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
財政学・金融論
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
小林 威 東洋大学, 経済学部, 教授 (90039454)
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研究分担者 |
村上 睦 山梨学院短期大学, 助教授 (20239502)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | アームズレングス / 利益比準法 / 利益分割法 / 事前確認制度 / 利益比準法(CPM) / 移転価格最終規則 / 事前確認法(APA) / 国際課税 / 企業の価格改定 / アームズレングス価格 / 内国歳入法482条 / 米国移転価格最終規則 |
研究概要 |
最近、十年余にわたって、アメリカの移転価格税制は改定したり新たな規則を制定して企業の移転価格を制御するための税務当局の権力を強化した来ている。1988年に白書を発行して基本方針を整備してから、1990年にはていあん規則により外国系企業の米国現地法人への課税強化に乗り出した。この傾向はさらに強められて、1933年にはいると、暫定規則で。アームズレングス価格に接近する方法として利益比準法の適用を打ち出してきた。この方式は、現実の法人所得に課税するよりも、企業のみなし利益に課税する危険が多く、わが国を始め、ヨーロッパ主要国政府並びにOECDから強い批判を受けたが、すでにこの適用を行って、税務査察が行われている。 この間の事情を背景として、次の2点に的を絞り、今回の研究目的とした。1)移転価格を多国籍企業が実際にどのように設定しているか。2)その設定価格に対して税務当局が如何に抵抗するか。3)事前確認制度に対する企業の対応。これらを中心に、実地調査と文献調査を企てた。 移転価格の設定に際して企業はいかなるファクターを重視するか、また子会社が独自に移転価格を設定するとしたらいかなるファクターによるのかということを現実に調査した。現実に、わが国の多国籍企業もその子会社の多くが税務査察を受けており、税額の更正決定を受けた企業が少なからずある。そこでアームズレングス価格接近には国際的に認められている算定法のうちどれが妥当であるかについて実地調査を行った。次いで、米国の移転価格税制に対する日本企業の対応と事前確認制度についても実地に調査した。 ファインディングスは以下のようである。1)移転価格の設定は基本としてアームズレングスである。しかし、この回答は信憑性が薄い。価格の設定は極秘事項に属するからである。2)米国の利益批准法適用については、大多数の企業が理論的面と、実際面から反対している。かなり多数の企業は、利益分割法に賛成する。3)事前確認制度については、巨額の費用がかかり、相当の年月が必要なことから、否定的である。大多数の企業は、費用2000万円以下、期間3ヶ月以内を望んでいる。ただし、日、米、豪、加の税務当局がこの方式を推進しているから、今後前向きにこの制度を真剣に検討する意向は十分汲み取れた。
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