研究概要 |
本年度は最終年度であり,研究の総括と共に完成に向けてのいくつかの実験を実施した.過去2年間は,紙メディアにおける実験が主な内容あったが,今年度は電子メディア上におけるテキストの構造について主に研究した. その成果は,以下の通りである. (1)電子メディア上の認知しやすい図的表示として,インターネット等で用いられている話題に関する意見交換を図的に表示する方法を提案した. この方法は,これまでにすでに提案されている階層的な表示を採用する.さらに,これらの意見のキーワードの自動表示と要約文を生成する方法を提案した. (2)上記の方法を,自然言語解析の手法である形態素解析を用いて,インターネット上で誰でもアクセスできるように,実装した. (3)上記の方法による提示を,人間の判断と比較する実験を行った. その結果,人間が抽出したキーワードと要約文を,本システムが同定したキーワードと要約文を比較した.その結果,本システムは,かなり人間の判断に近い内容であることが分かった. (4)キーワードの表示についてさらに研究を追試し,そのキーワードの見易い配置をするアルゴリズムを提案した.この結果,かなり複雑な配置であっても,見易く表示できることが分かった. 以上のように,本年は電子メディアのテキスト構造について,興味深い結果が得られた.
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