研究分担者 |
大栗 博司 京都大学, 数理解析研究所, 助教授 (20185234)
柏原 正樹 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (60027381)
井原 康隆 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (70011484)
斎藤 恭司 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20012445)
森 重文 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00093328)
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研究概要 |
研究代表者である宮岡は代数多様体上の有理曲線とその変形を精密に研究し,射影空間、二次超曲面の数値的特徴付けなどFano多様体論における重要な技法、知見を得た。また正標数の体上定義された代数曲面に対する新しい単有理性判定法を開発した。これらの結果は本年度行なわれたICM94で報告を出したほか,詳細は何篇かに分割して発表を予定している。 森は三次元極小モデル理論を用いた曲面のモデュライ空間のコンパクト化を研究し,その成果をまとめる作業を行っている。その他にも,数理物理とも関連して,四次元商特異点のcrepant Yesolutionに関する予想の部分的解決等興味深い種々を結果が得られた。 斎藤(恭)はタイヒミュラー空間を実代数多様体という新しい観点から見なおすことにより,表現論・組み合せ論を代数曲線のモデュライ理論に導入し、精力的に研究を行った。現在は基礎固めの段階であるが、将来は特殊関数の構成といった方向を目ざしている。 井原、松本、玉川らは代数曲線の基本群に対するGalcisの作用を数論的・幾何的に解析した。この作用を見ることで、有理数体のGalois群,代数的数のなす体といった尨大な対象が,可視的な対象に埋め込まれ,新しい知見が得られた。これらの結果は上記斎藤の研究とも内的連関があり、相互に補い合うものである。柏原・三輪は量子群の表現,大栗は超紐理論で見るべき成果を挙げた。
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