研究課題/領域番号 |
06452020
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水野 亮 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80212231)
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研究分担者 |
土橋 一仁 東京学芸大学, 教育学部, 助手 (20237176)
小川 英夫 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20022717)
福井 康雄 名古屋大学, 理学部, 教授 (30135298)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
1995年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 電波天文学 / 星形成 / ミリ波受信器 / 分子雲コア / 分子スペクトル / プロトステラーコンデンセーション |
研究概要 |
本研究は、100個あまりの若い天体が観測されている活発な星形成領域である「おうし座分子雲」内の高密度分子雲コアの完全なサンプルを取得し、それまで理論の枠をでることができなかった分子雲コアの形成過程を観測的に明らかにすることを目的としたものであった。 我々は、おうし座領域全域(約39平方度)に対して名古屋大学の4メートル電波望遠鏡を用い、それまでの可視光及び赤外線のデータに頼らない《星形成領域(=分子雲コア)の網羅的な探査》をすすめてきた。^<13>CO、C^<18>O分子輝線を用いて、密度が10^3cm^<-3>以上の分子ガスの分布についての完全なデータベースが取得された(Mizuno et al.1995、Onishi et al.1996)。さらにC^<18>O分子輝線のデータベースをもとに、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45メートル鏡を用いてH^<13>CO^+分子による高角分解能観測を行ない、密度が10^4cm^<-3>以上の分子ガスの完全なサンプルを取得した。H^<13>CO^+分子によって検出された分子雲コアは、コアが自己重力により収縮する直前の段階のコアであると考えられる。我々は、このH^<13>CO^+が検出されるコアを遠赤外線で検出される原始星の一つ前段階の若い天体であると、初めて位置づけることにより、おうし座領域での「低密度の分子雲」→「分子雲コア」→「コアの収縮(“芯"の形成)」→「“芯"の中心部での原始星形成」→「分子雲コアの散逸」と変化する一連の星形成過程を統一的に理解することができた。 統計的な解析から、分子雲コアの柱密度が典型的に約8×10^<21>cm^<-2>程度の値になると、原始星形成が始まると考えられることが明らかになった。また、H^<13>CO^+が検出される高密度コアで動的なコアの収縮がはじまり、約3×10^5年程度の時間で原始星コアが形成されること、そして形成された星のまわり(0.1pc程度)のガスが数十万年のタイムスケールで散逸していく等の知見が得られた。
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