研究課題/領域番号 |
06452026
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
水谷 興平 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60008844)
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研究分担者 |
堀田 直己 宇都宮大学, 教育学部, 助手 (60157039)
森 健壽 埼玉大学, 理学部, 教授 (60008810)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1994年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | 超高エネルギー宇宙線 / 宇宙線スペクトル / 宇宙線陽子 / 空気シャワー / ガンマ線ファミリー |
研究概要 |
チベットに建設している空気シャワー観測装置(32000m^2)とエマルションチェンバーを連動して運転し、ファミリーとそれに伴う空気シャワーを同時に観測すれば、PeV領域の宇宙線陽子成分のスペクトルを測定できる。平成6年度には、この連動実験のために必要なバースト測定器を製作して調製し、現地への設置に備えるとともに、運転中の装置(8100m^2)による空気シャワーの観測データを用いてPeV領域の宇宙線の全粒子成分のスペクトルを測定して、ファミリーの観測から推定した陽子成分のスペクトルと比較検討することを目的とした。 1.バースト測定器(0.8m^2を1単位として4単位)を製作して、点検し調整した。これにより、 (1)この測定器のシンチレータの減衰距離を測定して200cm程度であるとの結果を得たこと、 (2)この測定器のフォトダイオードのための増幅器として300倍を越えるゲインのものを製作できたこと、により、このバースト測定器を用いて、ファミリーによる10TeV以上のバーストを20cmの分解能で位置決定できることを確認した。これらは平成7年度に現地へ運搬して設置し、空気シャワー観測装置とエマルションチェンバーの連動運転に用いて、PeV領域の宇宙線の陽子成分のエネルギースペクトルを測定する。 2.また、運転中の装置(8100m^2)による空気シャワーの観測データを用いて5×10^<14>-2×10^<16>eV領域の宇宙線の全粒子成分のエネルギースペクトルを測定した。その結果、 (1)宇宙線の全粒子成分のスペクトルのいわゆるニ-(knee)はエネルギー2×10^<15>eV程度であること、 (2)スペクトルの変化は滑らかで、ベキの急激な変化(kink)はなく、また、コブ(bump)もないこと、 (3)これをエマルションチェンバーによるファミリーのこれまでの観測から推定した陽子成分のスペクトルと比較検討すると、ニ-領域では陽子成分は20%以下に減少していること、 を確認した。これらの結果は、すでに平成6年8月、チベット国際宇宙線シンポジウムで報告しており、また、平成7年9月ローマの宇宙線国際会議で報告する予定である。
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