研究課題/領域番号 |
06452027
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 作衛 東京大学, 原子核研究所, 教授 (70011658)
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研究分担者 |
久世 正弘 東京大学, 原子核研究所, 助手 (00225153)
徳宿 克夫 東京大学, 原子核研究所, 助手 (80207547)
石井 孝信 東京大学, 原子核研究所, 助手 (90134650)
浜津 良輔 東京都立大学, 理学部, 助教授 (20087092)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1995年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1994年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 電子・陽子衝突 / 光子構造関数 / HERA / ZEUS / ベクトル中間子 / 分解光子反応 / ポメロンの構造 / 光子構造 / ジェット現象 / ベクトル粒子 |
研究概要 |
ドイツDESY研究所の電子・陽子衝突型加速器HERAにおいて、国際共同実験ZEUS測定器により光子の構造の研究を行った。電子から放出された実光子と陽子とが散乱する光子・陽子反応では、光子はハドロンのように構造を持った粒子として振る舞う。特に高いE_Tを持つハードな過程は、ハドロン散乱と同様、摂動論的量子色力学(pQCD)の描像で記述できると期待され、これをジェット生成や重いクォークの生成の観測により精度よく検証できる。更に、光子がパートンに分解して反応する分解光子反応の散乱断面積から、光子の構造を探ることができる。また、光回折反応と呼ばれる、光子が量子数を保ったままハドロンを生成する過程を用いて、回折反応の性質や、ハドロン散乱の理解のために導入された仮想粒子ポメロンの性質を探ることができる。 光子・陽子散乱のジェット生成、荷電粒子生成の断面積は、pQCDの予想とおおむね一致した。このことからハードな光子・陽子散乱はpQCDで記述できると結論でき、更にpQCDに基づいたモデルに多くの制限、特に光子の構造に新たな実験データを加えた。また、光子の反応残骸の横運動量分布から、pQCDの予想どおり光子のクォーク対への点状結合の寄与があることを示唆した。チャームクォークの生成断面積の測定は、光子中にチャームクォークが仮想的に存在するモデルを支持し、更に陽子のグルーオン密度が、軟成分で急速に増加することがわかった。 光回折反応では、その特徴であるラピディティ間隙を持つ事象がポメロン交換による予想と合致することを示した。ポメロン中のクォーク分布を測定し、グルーオンがポメロン中に存在することも明らかにした。更にポメロンがパートン対のハードな散乱においても交換されることを観測した。くわえて、光回折反応におけるベクトル中間子生成を通じて、ハードな回折過程はpQCDで記述できることを明らかにした。
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