研究課題/領域番号 |
06452037
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中原 純一郎 北海道大学, 大学院理学研究科, 教授 (30013527)
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研究分担者 |
山本 夕可 北海道大学, 大学院理学研究科, 助手 (50270781)
渡辺 純二 北海道大学, 大学院理学研究科, 助教授 (60201191)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1994年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 半磁性半導体 / d電子 / 励起状態 / 格子状態 / 緩和過程 / 局在-非局在 / 格子緩和 / 局在・非局在 / 発光 |
研究概要 |
半磁性半導体CdMnTeにおける発光の時間、温度、励起波長依存性を精密に調べた。YAGレーザーの高調波励起の色素レーザーを用い赤外発光(〜1eV)及びd-d発光(〜2eV)の強度の時間発展の励起波長依存性、励起強度依存性を測定した。 Mn^<2+>のd電子状態からの発光をアルゴンイオンレーザー励起の色素レーザーによりこの発光に含まれる不均一幅を発光の励起波長依存性を測定する事により求めた。このことにより不均一幅の温度依存性、Mn濃度依存性を明らかにした。温度依存性は不均一幅がおよそ50Kで消滅し、均一幅となっていることを示している。また濃度と共にこの消滅する温度が高くなることが分かった。これらのことより不均一幅は励起されたMn^<2+>と周囲のスピン、結晶場との相互作用が大きい原因と考えられる。この結果については高圧半導体国際会議で発表を行った。 赤外発光については強度の時間発展においてその初期過程において励起波長依存性があることが解り、本研究費で光電子増倍管冷却システムを作成し実験を精密化した。そこで価電子、伝導電子帯間の励起を行うと励起後すぐに赤外発光がステップ的に増大することが判明した。これによりブロッホ状態から局在d-電子状態への直接のエネルギー移動が明らかとなった。この過程は励起緩和速度方程式により解析を行い、実験との良い一致を見た。これは我々の配位座標模型の正当性を裏付けるものである。尚この結果はドイツにおいて開かれた第10回3元多元化合物国際会議において発表した。 d-d発光については発光の励起強度依存性、励起波長依存性、発光強度の時間発展と波長依存性の測定から励起強度に非常に敏感な非指数関数的減衰を精密に測定し、励起多重項状態間の協力による緩和過程による発光ではないかと推論される結果を得た。これは超放射や超発光につながる前駆現象であると思われる。すなわち発光強度を強めると時間依存性の異なる新たな過程が順次現れることを示している。またこの強度は非線形に増大し、寿命も励起強度と共に長くなる。この様にd-電子励起状態同士の協力現象が初めて観測された。
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