研究課題/領域番号 |
06452053
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加倉井 和久 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00204339)
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研究分担者 |
西 正和 東京大学, 物性研究所, 助手 (90156034)
門脇 広明 東京大学, 物性研究所, 助手 (70194876)
遠藤 康夫 東北大学, 理学系研究科, 教授 (00013483)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 中性子非弾性散乱 / スピンエコー分光法 / 相転移 / 集団励起 / ダイナミックス / 中性子散乱 / スピンエコー実験法 / 集団励起寿命 |
研究概要 |
熱中性子スピンエコー装置を高性能偏極中性子分光器PONTAに設置し、新しく開発されたスパイラル修正コイルも含めて調整された。その結果14.7meVの入射エネルギーを使用して、μeVの分解能が可能になることを実験的に示した。このスピンエコー・オプションを用いた実験が主に次の3つの課題について行われた。 KDCO_3秩序一無秩序構造相転移に於けるスローダイナミックスの研究 KDCO_3は354KでC2/mの高温相からP2_1/aの低温相への構造相転移を起こす物質で(DCO_3)_2ダイマーの向きの秩序がその原因である。このダイマーの向きの挙動はダイマー中の(重)水素結合の挙動と密接な関係を持つもので興味の対象となっている。この熱中性子スピンエコー測定法を用いた研究では個々のダイマーの向きの揺らぎが結晶中に作り出す歪みの場の揺らぎを直接検証することに初めて成功した。 Pure Crに於けるスピン密度波のスローダイナミックスの研究 Crのスピン密度波が非常に純度の良い試料に於いては自由に結晶中を伝播できる可能性が示唆され、それに伴うスピン密度波ピークのエネルギー幅の観測を試みた。結果は10^<-9> secの時間領域ではスピン密度波は静的とみなせることが判明した。この実験は技術的には反強磁性物質に於けるスピンエコー測定法の可能性を示すもので有意義である。 SrTiO_3構造相転移に於けるスローダイナミックスとフォノンの線幅測定 SrTiO_3構造相転移直上で観測されるcentral componentに関しては色々な推測がなされてきたが、今回の熱中性子スピンエコー測定法を用いた実験ではこのcentral componentがμeVの分解能で見ても色々な波数ベクトルにおけるエネルギー幅は零で温度依存性を示さないことが明らかになり、この強度がダイナミカルな現象によるものである可能性が否定された。又,RからM点への比較的平らな分散関係をもつフォノンのスピンエコー・シグナルがΔE=6.3meVで観測され、非弾性散乱スピンエコー測定法への第一歩が踏み出された。
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