研究課題/領域番号 |
06452059
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
目片 守 福井大学, 工学部, 教授 (80025345)
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研究分担者 |
高木 丈夫 福井大学, 工学部, 講師 (00206723)
網代 芳民 福井大学, 工学部, 助教授 (00025438)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1994年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | 幾何学的競合 / 三次元競合系 / 基底状態 / スピン揺らぎ / スピン凍結 / 中性子スピンエコー / μSR / NMR / フラストレーション / 三角格子 / かごめ格子 / 部分無秩序構造 / RVB / 磁気相図 |
研究概要 |
本研究は格子の乱れを伴わない幾何学的競合系におけるフラストレーションの効果を三次元競合系まで広げて明らかにしようとするものである。 付加的な相互作用により低温で秩序化するCsNiCl_3型化合物においては、XY性をもったハイゼンベルグスピン系でもイジング性をもったハイゼンベルグスピン系でもそれぞれ磁気相図に普遍性があること、転移点より下のある温度範囲では秩序状態でも静的 乱れや動的な揺らぎが著しいこと、フラストレーションによる縮退のために量子効果が大きいことが見いだされた。 CdI_2型化合物であるFeI_2では、100K付近で結晶場分裂に伴う電子転移が起こること、三重臨界点は存在しないことが明らかになった。 Delafossite型のCuFe0_2でAlをドープするとスピンの対称性が変わること、AgCr0_2やPdCr0_2ではフラストレーションに起因して非整合磁気構造や縮退らせん構造をとることが見いだされた。 頂点を共有する四面体からなる三次元競合系の一つのSrCr_8Ca_40_<19>では中性子スピンエコーの測定により、磁化率の磁場中冷却効果から予測されたように3.5K以下でスピンの凍結が起こること、Y(Sc)Mn_2では2K以下で同様にスピン凍結が起こることがμSRで見いだされた。しかしそれにもかかわらずSrCr_8Ca_40_<19>のμSRでは強いスピン揺らぎが0.1Kまで観測されているし、一方(Sc)Mn_2では0.07KまでNMRの緩和時間に異状がみられない。計算機シミュレーションからも三次元競合系の基底状態と考えられるスピン凍結状態は、ランダム系の場合と違った振舞をすることが分かったが、どのように異なるかは、今後の問題である。
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