研究課題/領域番号 |
06452066
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
甲斐 昌一 九州大学, 工学部, 教授 (20112295)
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研究分担者 |
那須野 悟 九州工業大学, 工学部, 講師 (90228073)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1994年度: 5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
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キーワード | 電気流体力学的不安定性 / ジグザグ不安定 / スキュードバリコース不安定 / 欠陥乱流 / 欠陥格子 / サブクリティカル分岐 / スーパークリティカル分岐 / ネマティック液晶 / 液晶 / 電気流体力学的対流 / ホメオトロピック / スケーリング / 位相スリップ / 欠陥 / トポロジカルダイナミックス / ブッセダイヤグラム / ネマチック液晶 |
研究概要 |
本研究では、非平衡開放系の恰好な研究対象である液晶の電気流体力学的不安定性(EHC)に注目し、特に対流点近傍のパターンの非線形発展と二次不安定性についてその分岐機構とダイナミックスを研究した。その結果、次のような諸成果が得られた。(1)一次元のパターン選択には3つの特徴的なダイナミックスが見いだされ、特にエクハス不安定性ではエクハスモードの成長率や波数分散などの振る舞いの臨界波数からの差に対する依存性が実験的に解明された。(2)一次元の位相スリップに関して普遍的な時空スケーリング則を示すことが判明した。特に、ギンズブルグ-ランダウ型のマクロなスケーリング則ではその係数(2√2)まで厳密に求まり、実験でそれを検証した。(3)二次元系ではトポロジカルに三つの異なった位相スリップが観測された。そこに各々二つの異なった動力学が見られ、位相スリップ点から離れた領域での動力学は拡散によるもので、一方スリップ点のごく近傍(大体ロールペア幅程度)での動力学は特異ダイナミックスによるものであることが判明した。(4)ゴールドストーンモードを持ったホメオトロピック系のEHCのパターン形成のダイナミックスとブッセダイヤグラムの研究では、つぎのような諸点が明らかとなった。ホメオトロピックEHCでは、ゴールドストーンモードの存在によって静止安定構造からの最初の不安定で、超臨界分岐を経てソフト乱流が発生することが見いだされた。このタイプの分岐現象はいままでには実験的な観測はもちろん予測もされておらず、その詳細な性質は調べられていない。また、このため磁界を印加いていないホメオトロピックEHCでは常にランダムパターンが観測されるが、磁界を印加するとこのモードを殺すことができ、揺らぎの対称性を変えることができる。その際のブッセダイヤグラムもプレーナー系とは全く異なったダイヤグラムを示すことも判明した。
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