研究課題/領域番号 |
06452067
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
松下 貢 中央大学, 理工学部, 教授 (20091746)
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研究分担者 |
松山 東平 新潟大学, 医学部, 助教授 (00047200)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
1994年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
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キーワード | 細菌コロニー / 形態形成 / 形態遷移 |
研究概要 |
私たちは最近、大腸菌や枯草菌などごく普通の細菌を寒天平板上に培養したときに成長するコロニーのパターンが、栄養濃度と寒天濃度(培地の固さ)という環境を決める二つのパラメータを変えるだけで、多様に変化することを見出した。そしてこれまでの一連の研究により、特に枯草菌についてコロニー・パターンの相図を定量的に確立することができた。即ち、自己相似フラクタルであるDLAパターンや、全体としてはコンパクトだがパターン界面だけに注目するとそれが荒れていて自己アフィン・フラクタルだと思われるEden的パターン、同心リング状パターン、枝分かれが密集したDBM的パターン、一様等方なディスク状パターンといった、5種類の典型的なパターンを呈する領域があることを明らかにした。また、成長途上のコロニーの顕微鏡観察によって、寒天培地がある程度以上柔らかくなると個々の細菌細胞が寒天培地上を能動的に動き回ることを見出した。この能動的運動がコロニーのパターン変化をトリガーするのである。本研究では最も単純なパターンである一様等方なディスク状コロニーについて界面の成長速度、コロニー内の個々の細菌の密度や拡散係数などを詳しく測定することにより、このようなコロニーの形成が基本的にフィッシャー方程式で記述できることを明らかにするとともに、他の領域のコロニー形成をも記述できるようなモデルの提案を行った。しかし、Eden的コロニーの自己アフィン性の確認はまだであるし、DLA的パターン以外の他の領域のコロニーの形成機構はまだ不明な点が多く、今後の興味ある課題として残っている。 また、同心リング状コロニーの形成で有名なプロテウス菌についてコロニー・パターンの相図を確立すべく研究を進めているが、ごく最近、ある条件下でコロニーが常に時空カオス的パターンを呈することを発見した。現在、その発現機構等を調べている。
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