研究課題/領域番号 |
06452071
|
研究種目 |
一般研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理学一般
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 眞 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (30144398)
|
研究分担者 |
岸本 俊二 高エネルギー物理学研究所, 放射光施設, 助手 (00195231)
五十棲 泰人 京都大学, 化学研究所, 助教授 (50027603)
片野 林太郎 京都大学, 化学研究所, 助手 (50231254)
戸崎 充男 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (70207570)
|
研究期間 (年度) |
1994 – 1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
5,500千円 (直接経費: 5,500千円)
1995年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
|
キーワード | 放射光 / 高エネルギーX線 / 2次元位置検出器 / 単バンチモード / ドリフト方式 / 高気圧用計数ガス / ガス検出器 / 高気圧計数ガス |
研究概要 |
本研究では、放射光からの10-100keVといった高エネルギーX線に対する、初期電子ドリフト方式による高性能位置検出器を開発するための基礎研究をおこなった。主たる研究成果は次の通り。 1)制限比例領域における高気圧比例計数管の動作機構に関して (a)高気圧下制限比例領域での特徴ある検出器応答である特性X線によるHalo(暈)効果を定量的に解明し論文(1)にまとめた。Halo効果は位置分解能を悪化させるが、高気圧下では波高選別によりこのHaloイベントを排除できることを明らかにした。このことは、実用上大きな利点と成り得ることを示した。(b)我々は既に、初期電子雲の構造変化が引金になって特異的放電モード遷移が発生することを見出していたが、異なる計数ガス(7気圧Ar+30%CH_4)においてもこの現象が存在することを確認した。この結果を論文(2)にまとめた。(c)我々の開発した位置検出器が、荷電粒子加速器を利用した微量元素分析(PIXE)法での高精度エネルギー分析に応用出来ることを示し、論文(4)にまとめた。更に、高エネルギー研放射光施設で10-60keV領域の高エネルギーX線に対する検出器応答を調査し、20keVX線に対して122μm(FWHM)、35keVに対して140μmの良好な位置分解能を得た。この時の結果の一部を論文(3)に示した。 2)ドリフト方式X線用位置感応型検出器の試作に関して (a)110×110mm^2の大きな有効窓面積を有するドリフト方式位置検出器を試作した。まずドリフト方向のみの大面積1次元検出器を製作した。ドリフト方向には25層のフィールドワイヤー層、カウンター深さ方向には2、4、6、8mm厚の4層構造となっている。この4層それぞれに対して、4本のアノードワイヤーが張ってある。(b)検出器内部の電位分布を計算した。その結果、6mm層については電位分布が十分平坦で良好なドリフト領域を形成していること、アノードワイヤー近傍の電位分布の挙動が初期電子の効果的収集には重要であることが判った。(c)5-7MeV陽子ビームを使用してテスト実験を行った。検出器窓等によるビームの広がりが大きく、得られた位置分解能は満足いくものではなかったが、解析の結果位置分解能の悪化原因はすべて荷電粒子ビーム特有のものであり、X線ビームに対しては問題とならないことが判った。放射光での本格的実験を本年6月に行うが、良い位置分解能が期待できる結果であった。
|