研究概要 |
1.アイスランドの試料にもとづく磁場のベクトル的な変動の研究 アイスランド北部のストル-チャルニールの2ヶ所の溶岩層(LT, SI)についてK-Ar法による年代決定を行い,これらの溶岩が2-3Maに噴出したものであることを示した.これら,我々が測定したデータも含め,これまでにアイスランドんの溶岩を対象として得られた古地磁気および年代データベースを作成した.このデータベースの解析結果は3月の合同学会にて発表の予定(広井・河野). 2.古地磁気強度データベースの整備とその統計的解析 過去の磁場強度データのデータベース化を行ない,これを一般に公開した.さらにこのデータベースを用いて磁場の変動の特性について考察を行なった(田中・内村・河野,Geophys. J. Int., 120, 1995,河野・田中, in "The Earth's Central Part", pp. 75-94, Terrapub, 1995). 3.新しい古地磁気永年変化(PSV)モデルの構築 地磁気のガウス係数がランダムに変化するという仮定に基づいたPSVモデルを構築しつつある.まず河野・田中(J. Geomag. Geoelectr., 47, 1995)によって極の分散の表現を求め,これとデータの比較から(2,1)の四極子成分が背景となる一般の成分より大きいことを示した.さらに河野・広井(Earth Planet. Sci. Lett. in press, 1996)によりおなじ手法で古地磁気強度データの解析ができることを示した.
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