研究課題/領域番号 |
06452079
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
固体地球物理学
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
河野 宣之 国立天文台, 地球回転研究系, 教授 (10186116)
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研究分担者 |
藤下 光身 九州東海大学, 工学部, 助教授 (60141967)
柴田 克典 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (60222030)
田村 良明 国立天文台, 地球回転研究系, 助手 (90150002)
真鍋 盛二 国立天文台, 地球回転研究系, 助教授 (30000178)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,100千円 (直接経費: 7,100千円)
1995年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1994年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
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キーワード | VLBI / 22GHz / 測地VLBI / 伝搬遅延の補正 / S / Xバンド / 電波源の構造 |
研究概要 |
22GHz帯の測地VLBIは、広帯域化が可能、電離層による電搬遅延が小さい、水蒸気による電搬遅延の補正等が可能であること、天体の構造による影響が小さいことから、従来行われてきたS/X帯に代わる測地VLBIの高精度化に有力な手段である。しかし、周波数が高いため、位相高安定なシステムの実現の困難さに加え、電波源の観測例が少なく且つS/X帯に較べて一般にその強度が弱くなるなど多くの課題が残されていた。本研究ではほぼこれらの課題を解決し、22GHz帯びの測地VLBIが数cmまたはそれ以下の誤差で可能であることを明らかにした。 本研究では、主として以下の項目を進めてきた。すなわち、1)22GHz帯びVLBIシステムの整備、特に光ファイバーを用いた広帯域化のための高安定基準信号分配器や位相較正用局内遅延測定器などの製作、2)22GHz帯で測地VLBIに利用できる電波源のサーベイと選定、3)国内における観測、4)測定された遅延に各種補正を加えて後、基線ベクトルの推定である。観測は水沢-鹿島間で1回行い、遅延の測定精度は積分時間258秒で59ps(距離に換算して1.8cm)、水沢-鹿島間で2回行いそれぞれ300秒で約100psであった。一方、S/X帯では積分時間160秒で遅延測定精度82psであった。水沢-鹿島間の観測は鹿児島のアンテナ直径が6mと鹿島の34mと比較して小さく、十分な信号対雑音比が取れなかったことに起因する。一般に22GHz受信局は20m級のアンテナを有しており、これらのアンテナを使用すればS/X帯の精度を上回り、従って22GHz帯測地VLBIでの遅延測定精度は従来のS/X帯のそれに劣らないことは明らかである。このように、22GHz帯測地VLBIは、電離層による遅延や天体の構造による影響などのS/X帯で不可避の系統的な誤差が小さいので、高い信頼性を持ち、十分な精度も有することを明らかにした。
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