研究課題/領域番号 |
06452096
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
松田 高明 姫路工業大学, 理学部, 教授 (50145827)
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研究分担者 |
加納 隆 山口大学, 理学部, 教授 (60108264)
後藤 篤 姫路工業大学, 理学部, 助手 (50211917)
森永 速男 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (40210182)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
1996年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1995年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
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キーワード | 飛騨帯 / フィッション・トラック年代 / 古地磁気 / ジュラ紀花崗岩 / 白亜紀火山岩類 / 手取層群 / スラスト |
研究概要 |
1.ジュラ紀下之本型花崗岩類10試料のフィッション・トラック年代の測定結果は,アパタイトが39〜49Ma、ジルコンが99〜172Ma、スフェーンが121〜146Maであった。すでに報告されている全岩アイソクロンRb-Sr年代、角閃石および黒雲母のK-Ar年代を合わせて考慮すると、これらの花崗岩体は約200Maに貫入した後、150Maまでに300℃まで冷え、その後現在まで一定の速度で冷却したと考えられる。 2.飛騨帯の美濃帯上への衝上に関係があると考えられている、横山衝上断層の破砕帯中の花崗岩礫のアパタイトのフィッション・トラック年代は約40Mを示した。また、ジルコンは花崗岩礫で118から125Maを示し、砕屑岩礫からはミックスト年代が得られた。このことは、この衝上断層の運動ではアパタイト(約110℃)の閉鎖温度以上に温度が上がったが、ジルコンのそれ(約240℃)までは上がらなかったことを示す。また、この衝上断層が古第三紀中頃まで活動していた可能性をしめす。 3.下之本型花崗岩類の古地磁気方位の伏角は全体に浅く平均35度であり、伏角はばらついた。しかし、VGPの位置は北極を取り囲む小円に分布し、この岩体の形成時か冷却時に北緯20度付近にあった可能性を示す。 4.白亜紀〜古第三紀火山岩類の古地磁気方位は、飛騨外縁帯付近で大きく東偏した偏角を示すが、美濃帯内ではわずかに東偏するか、ほぼ北を向く。このことは白亜紀以降に美濃帯と飛騨帯の間で相対的な運動があったことを示唆する。 5.ジュラ紀手取層群から採取した堆積岩類の磁化方位は不安定で、古地磁気方位を求めることができなかった。飛騨ナップの運動像を明らかにするためには岩石の種類をさらに検討する必要がある。
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