研究概要 |
本研究では,これまで我々が進めてきたこれらのその場測定装置を用いて,原料として有機金属を用いるALE成長の成長メカニズムを調べることを目的に行ってきた。 本研究では,大きく分けて2つの方向から本研究に取り組んだ。その一つは,新しい観察手段として,他では行われていないALE成長装置に高感度マイクロバランスを組み合わせたその場測定装置を有機金属系ALEに対して開発すること。もう一方は,ハロゲン系原料を用いたALE成長により有機金属を用いた場合と同じ表面状態を形成して,その面を用いて結晶成長メカニズムの解明を行うことである。 有機金属系を用いたその場測定装置の一番の問題点は加熱方法である。通常の有機金属法では,高周波加熱等を用いたコールドウォールタイプが主流である。これは,ハロゲン化物が熱に対して安定であるのに対して,有機金属原料が熱的に不安定であるためである。しかし,マイクロバランスを用いたその場測定装置に基板結晶のみを加熱することは不可能であるため,以下に示した種々の加熱方法を検討した。 (1)高周波加熱を用いた,立ち上がり距離の非常に短いホットウォールタイプの電気炉 (2)高出力の抵抗加熱を用いたホットウォールタイプの電気炉 その結果,上述の(2)の方法がノイズおよび温度の安定性からも有利であることが明らかになった。この結果を踏まえ,有機原料系のその場測定装置の構築に取り組んだ。 本研究で得られた成果は、当初の目的を達成し、表面における多くの知見を得ることができた。
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