研究概要 |
試作したマイクロAJM装置を使用し,基本的なセラミックス(AlN, SiC, Si_3N_4,ジルコニア,グラッシーカーボン等)の加工実験を行った.そのときの砥粒の噴出速度を現有のレーザドップラー流速計で測定した.また噴出した砥粒密度分布,すなわち工作物への衝突頻度分布を,試作したレーザ光パターン測定装置により測定,評価した.当初,砥粒密度の測定は,ノズル下方の砥粒噴射部分にレーザ光を走査させ,その透過割合を測定することにより,CTの原理を用いてレーザ走査面内の砥粒分布を求めようと試みた.しかし高能率加工が実現できる砥粒混合濃度の低い領域で検出感度が感度が著しく低下することがわかった.そこでシートレーザ光による砥粒粒子からの散乱光量の分布を画像処理する方法に変更した.以上の結果,砥粒速度は音速の60%まで加速されており,砥粒はノズル中心線からかなり広範囲に飛散していることが明らかになった.そして加工表面に微細砥粒を衝突させたときの加工深さ,加工範囲を,噴射圧力,噴射時間,空間噴流速度,微細砥粒スペック(砥材,粒子径,噴射密度),微小径噴射ノズルスペック(ノズル径,ノズル走査速度,加工表面からの距離,ノズル角度)と関連させ調べた.その結果,加工量インプロセス制御のための加工データベースを構築することができた. さらにマイクロAJMの応用として,グラッシーカーボン基板のマイクロ穴あけ,マスク処理によるパターン加工について検討し,良好な結果を得た.またこの技術を超精密非球面セラミックスミラー研削加工のインプロセスドレッシングに応用し,良好な効果を得た.したがって本加工技術は硬脆材料の微細加工に適しており,また適用範囲も広い加工方法であることが明らかになった.
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