研究概要 |
本研究では,目的とするダイヤモンド粒子を得るために,実施計画の内で,1.共振器・微粒子生成室の製作・改良及び周辺装置の開発,2.微粒子の作成および微粒子生成メカニズムの検討についておこなった。1.と2.は密接に関連しているので,総合的に記述する。30気圧の高圧までマイクロ波プラズマを発生させることのできる装置を開発した。そこでは,半同軸共振器をプラズマ生成室及び微粒子生成室として用い,共振器形状を最適化した。原料は,メタン及びヘリウムの混合ガスである。そこで得られたものは,直径50nm程度のピロカーボンという単結晶の超微粒子であり,同粒子の新しい生成法として注目される。この研究を通じ高圧力下においてもダイヤモンド粒子の生成には,水素ガスが必要であることが確認された。高圧力においてマイクロ波プラズマを発生させるには半同軸型が有利であることが確認されたが,上記の装置そのままでは,電極と水素ガスの反応が避けられないことより,プラズマと電極部が接しない構造の装置を開発した。ここで,計画にあるようにプラズマの状態を正確に把握し制御するための,装置を製作することができた。必然的に,装置を等価回路として定量的に捉えることも可能となった。これにより,プラズマの発生前後のインピーダンスの変化に対しても,最適な状態で整合できるようになった。そこで,メタン及び水素の混合ガスを投入することにより,250Torr下において,ダイヤモンド微粒子を生成することができた。まだ,自型よりの判断であり,詳しい分析は,直ちに行う。また,数分の1気圧であるが,その改良の指針を把握しており,直ちに改良を行う。今後,より高い気圧におけるダイヤモンド粒子または膜の生成を目標として,研究を続けるとともに,高圧力におけるマイクロ波プラズマの生成技術を利用し,ダイヤモンドよりもその性質が優れているというC_3N_4の生成を試みる。
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