研究課題/領域番号 |
06452179
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
相原 利雄 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90006172)
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研究分担者 |
印南 幸夫 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (50271987)
宇角 元亨 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (30006184)
小原 拓 東北大学, 流体科学研究所, 助教授 (40211833)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1994年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | 遷臨界域流体 / 伝熱制御 / 過渡伝熱 / 実験 / 分子動力学 / 二酸化炭素 |
研究概要 |
本研究は、超臨界圧流体が示す特異な熱伝達特性を利用して、熱伝達を能動的に制御する手法を確立しようとするものである。以下に3年間にわたる研究の成果を要約する。 まず、急速過渡熱伝達特性に関する基礎的な熱伝達と流動の特性を明らかにするために、臨界点近傍の亜臨界圧および超臨界圧の二酸化炭素中の水平白金細線をステップ状に加熱する非定常実験を行い、超臨界圧条件で、定常状態では見られない半球状の気泡類似な流体塊(擬似気泡)を観察した。 次に、能動的伝熱制御のための応用研究として、超臨界圧二酸化炭素中の水平白金細線をパルス状に加熱する実験を行った。時間平均の熱流束が一定であっても、流体の臨界点近傍の熱物性と、パルス周波数との組み合わせにより、伝熱面温度を任意に制御できることを明らかにし、新たな伝熱制御の手法を示した。 さらに、このような能動的伝熱制御法の確立のためには必要不可欠となる、遷臨界域における熱流動メカニズムの解明のための研究を行った。 まず、亜臨界圧から超臨界圧に至る広い圧力範囲の二酸化炭素について、定常熱伝達実験を行い、熱伝達および流動の特性が、連続的に遷移する様子を詳細に明らかにした。さらに、超臨界圧における沸騰類似現象が界面張力(擬似界面張力)に支配されているものとして、従来の限界熱流束の推算式を適用し、この擬似界面張力を逆算した。 ここで推算した擬似界面張力の発生メカニズムに関して、分子動力学解析を行った。その結果、流体に温度勾配を与えた場合には、超臨界圧においても極めて大きな密度勾配をもつ擬似界面領域が存在し、ここに擬似界面張力が作用することが明らかとなった。これらの結果は、先に行った実験の結果と一致しており、超臨界圧流体における擬似界面張力という新たな視点から、沸騰類似現象の統一的な解釈を提出した。 以上の解析により、遷臨界域流体の急速非定常伝熱・流動特性を解明し、これを用いた能動的伝熱制御に関する基盤を確立した。
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