研究概要 |
定積燃焼室およびエンジン燃焼室内燃料〜空気混合気の旋回乱流中心にて電気火花にて点火し、伝播中の乱流火炎断面像をレーザシート法により撮影し,サークル法を用いてフラクタル解析を行った。得られた主な結果は次の通りである。 1)点火直後の火炎面には乱流の影響があまりあらわれず,明確なフラクタル性はみられない。その後火炎面は乱流の影響を受けて,フラクタル性を示すようになる。さらに火炎の伝播にしたがい,火炎面の凹凸が小さく分割され,激しく変化し,フラクタル下限値ε_iは小さくなってある一定値に,フラクタル次元D_3は大きくなってある一定値に近ずく。また乱れが強くなるほどD_3が大きくなる。 2)フラクタル上限値ε_oは火炎の等価半径にほぼ等しい。 3)層流火炎の予熱帯厚さに対する下限値の比ε_i/δはカルロヴィツ数の-0.5乗にほぼ比例して変化する。 4)層流と乱流で,質量燃焼割合が同じときの質量燃焼率M^^-_<bL>(層流)とM^^-_<bT>(乱流)の比はフラクタル特性値を用いて次のようにあらわされる。 M^^-_<bT>/M^^-_<LT>=〔L(ε_o)/(2πγ_+)〕(ε_i/ε_o)^<2-D_3> ここでL(ε_o)はフラクタル輪郭曲線の長さである。この関係式を用いて、密閉燃焼室内乱流予混合燃焼の熱発生過程をシミュレートできる。 5)エンジンシリンダ内の旋回乱流火災では、フラクタル次元D_3は、定積燃焼室実験(常温)における値よりも,少し大きくなる。また2つのフラクタル特性をもった構造と考えられるケースもみられた。
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