配分額 *注記 |
7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1994年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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研究概要 |
近年,ス-パコンピュータがいろいろな研究機関に導入され,身近なものになってきている.ス-パコンピュータはベクトル演算を高速に行う計算機であるが,トラヒックシミュレーションには本来ベクトル演算がないので,ス-パコンピュータを用いても無意味である.そこで,トラヒックシミュレーションをベクトル化し,ス-パコンピュータを有効利用する方法を検討した.まず,回線交換を対象として,各ノード間の呼の生起・終了やリンクの同時接続数などをベクトルとして表した.また,事象の発生はイベントドリブン的に行い,時間の進行はタイムドリブン的に一定の小さなステップごととした.発生した事象は,各時点ごとに用意されている事象ベクトルに記憶され,時間の進行とともに,それが取り出されてベクトル演算が行われる.これにより大幅な速度向上が得られた.また,使い易いマンマシンインタフェースも開発した. 回線交換と同様の考え方で,パケット交換やATM交換のシミュレーションも行った.ATMは,バーストレベルのシミュレーションとしたが,回線交換と同様の考え方では,速度向上に限界があった.そこで,発想を逆転し,バーストをリソース,VPやバッファをトランザクションとして取り扱うことにより,かなりの速度向上を得ることができた. 最近は,ベクトル計算形ではない並列計算形のス-パコンピュータも身近なものになってきている.そこで,それによるATMのセルレベルのトラヒックシミュレーションについても検討を行った.重要な点は,ネットワークを分割して各プロセッサエレメントにマッピングするところである.それについて,いろいろな方法を試み,かなりの速度向上を得ることができた.
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