研究課題/領域番号 |
06452266
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
吉中 龍之進 埼玉大学, 工学部, 教授 (00008822)
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研究分担者 |
長田 昌彦 埼玉大学, 工学部, 助手 (00214114)
山辺 正 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40125894)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
1994年度: 6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
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キーワード | 不均質体 / モデル実験 / 三軸圧縮試験 / 弾塑性解析 / 微小破壊 |
研究概要 |
我国のような複雑な応力履歴を受けた変動帯中の岩盤を対象としてエネルギー施設の地下立地や、高レベル放射性廃棄物の地層処分などを考える場合には、岩盤に含まれる多数の亀裂群の力学的評価もさることながら、内部に含まれる多種多様な不均質体をいかに評価するかが重要な検討課題となる。特に我国には凝灰角礫岩などを代表とする礫岩が広く分布しており、一見、堅固であり構造物の支持層としても多く用いられている。しかし、今後の都市域における大深度地下利用や、大型構造物の基礎としての利用を考える場合には、上記の礫層の力学的特性をいかに合理的に評価するか現時点で十分に検討しておく必要がある。 本年度の研究では、モデル礫岩により多数の礫を含む岩盤の力学挙動に関する実験データを蓄積するとともに、不均質体の構成関係に必要な物性パラメータについて検討した。また礫とマトリックスの2相系からなる材料を想定して弾塑性有限要素解析をおこない、礫の混入率・拘束圧の変化にともなう応力一ひずみ関係、内部の破壊状態の進行を検討した。解析条件は、平面ひずみである。解析的考察から、礫の混入が2相系材料内の応力一ひずみ分布を著しく不均質にしており、これが礫・マトリックスの2相系の力学特性を大きく支配するものあることを明らかにした。さらに実験に用いた試料の内部破壊状況の観察から、礫を中心とした円錐状の破壊面が多数形成されていることが判明し、解析結果の傾向ともよく一致することが確認された。この現象を巨視的な応力一ひずみ関係から見ると、礫の含有率が多くなるほど破壊時のひずみが小さくなること、また弾性論的な考察から予想されるような硬質な礫の混入による弾性係数の増加は破壊に至るほどのひずみレベルでは観察されないことなどに対応するものと考えられる。以上の考察をもとに、本年度の成果として、礫を含む不均質な実岩盤に対する新しい評価方法を提案した。 最後に、この評価方法をいかに大型構造物の設計に結び付けていくかを、今後の課題とした。
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