研究分担者 |
大石 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (30252521)
立川 康人 京都大学, 工学部, 助手 (40227088)
宝 馨 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144327)
中北 英一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70183506)
椎葉 充晴 京都大学, 防災研究所, 教授 (90026352)
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研究概要 |
水文循環のスケールアップおよびスケールダウンを考えるに当たって鍵となるのは,地形,蒸発散量および降水量分布のそれである。一方ではstbchasticな議論も非常に重要である。すなわち,平均的な物理量が互いにどういう関係にあるかを様々なスケール毎に個別に議論するだけでは現象を理解したことにはならず,スケール間の関連および相違が説明づけられなければならない。さらには,洪水防御計画や水質源計画に対する降水量分布や水位,流量のstochasticな構造の情報は,今や実用上欠くことのできないものとなっている。以上が,大気との相互作用という視点以外に,水文プロパ-の水循環のモデル化において考慮されなければならない点である。 本研究は以上の視点をベースに,水文循環モデルのスケールアップ・ダウンと水資源システムへの応用を一貫した課題として取り組むための突破口となるべく,イ)流域特性のメッシュ集中化によるマクロ水文モデルの開発,2)降雨分布の時空間分布特性の物理-確率過程モデルの開発,3)大気-降水-土壌・湖面-地表・地中・地下水流出-蒸発散の相互作用の観測,モデリグ,4)雲の存在を重視した降水過程のモデル化と観測,5)地形情報のスケールアップ・ダウンと流出モデルのそれに蒸発散および降水分布特性が及ぼす影響の明確化,6)種々の時間,空間スケールで得られる水文情報の洪水防御計画,水資源計画への活用手法の開発,7)地上および衛星リモートセンシング情報の有効利用手法の開発,を各研究者が連携しながら進めたものである。本研究は,「水文循環モデルのスケールアップ・ダウンと水資源システムへの応用」を完全に確立する事を目指したのではなく,その展望や突破口を具体的に形で示すことにあった。各課題一貫してこれから進むべき方向を研究成果として具体的に示せたことにより,突破口としての役割を果せたと言える。
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