研究課題/領域番号 |
06452329
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 英明 北海道大学, 工学部, 教授 (70002201)
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研究分担者 |
野田 和彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (60241361)
安住 和久 北海道大学, 工学部, 助教授 (60175875)
瀬尾 眞浩 北海道大学, 工学部, 教授 (20002016)
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研究期間 (年度) |
1994 – 1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
7,700千円 (直接経費: 7,700千円)
1995年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1994年度: 7,200千円 (直接経費: 7,200千円)
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キーワード | アルミニウム / カソード分極 / ピッティング / 皮膜ブレークダウン / ピット生成 / 皮膜欠陥 / アノード酸化皮膜 / 皮膜破壊 |
研究概要 |
平成6、7年度の研究において明らかになったことをまとめると、以下のようである。 1)アノード酸化皮膜に覆われたアルミニウムを中性のホウ酸塩溶液中でカソード分極すると、皮膜中にふくまれる欠陥部において水素ガス発生が起こり、素地金属/酸化皮膜界面にたまったガスバルブのために、皮膜に応力・ひずみが発生し、皮膜の破壊が生じる。皮膜の破壊により素地金属が溶液に露出すると、電流の集中による局部的なpHの増大のために素地金属の腐食が起こる。ピット内における水素ガスの蓄積と、ピットからの水素ガスの放出の繰り返しにより、カソード分極下においてもピットが次第に大きく成長していく。 2)カソード分極挙動は、表面に存在するアノード酸化皮膜の厚さ、あるいは幾何学的構造および結晶構造により大きく依存する。これは、皮膜の生成時において種々の原因により皮膜中に欠陥が発生し、その欠陥の数あるいは分布が、皮膜生成条件により異なるためである。カソード分極挙動は、皮膜中の欠陥の数と深く関連しており、皮膜中の欠陥の数あるいは分布を推定する方法として、この中性溶液中におけるカソード分極法が利用できる。 3)高純度アルミニウム試料の上に生成したアノード酸化皮膜中の欠陥は、おもに皮膜を形成する前の試料の凹凸に起因するものと、皮膜生成のさいの無定形酸化物の結晶化に帰因するものに分けられ、無定形酸化物皮膜からなるバリヤ-型アノード酸化皮膜にふくまれる欠陥は、おもに前者に起因するものである。電解研摩試料表面には、大きさの異なる二種類の凹凸が存在する。直径2〜3μm、深さ数十nmの大きな凹凸と、直径100nm、深さ20〜30nmの小さな凹凸である。大きい凹凸が、バリヤ-型アノード酸化皮膜の欠陥を生じさせる。
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